昨年の6月21日のブログ「50mにも及ぶクロオオアリの行動範囲」では、庭のクロオオアリが庭の外のクヌギの木まで出かけていたことについて書きましたが、今日、その時と同じような光景を見ました。庭の南側の小道を東へと進むクロオオアリを何匹か見かけたのです。
このクロオオアリは、庭から来たのだろうと考えました。先ず行き先を確かめることにしました。幾匹かの中で、腹部を地面に着けながら歩くクロオオアリがいましたので、そのクロオオアリの後を追うことにしました。と言うのは、クロオオアリの場合、腹部を地面にリズミカルに着けながら歩いている場合、餌場から帰る際の行動ではなく、餌場に向かう際の行動であることが、これまでの観察から分かっているからです。追って行くと、小道の南側すれすれを進み、やがて小道を横断して木の張り出した根元から幹を登って行きました。
この木はクヌギの木です。
行き先が分かりましたので、次に巣を特定することにしました。クヌギの木から下りてくるクロオオアリの後を追うのが最善ではありますが、時間がかなりかかりそうでしたので、途中の小道を歩いている帰路と思われるクロオオアリの後を追うことにしました。
やがて、C巣方面に進んで行き、芝生の中で見失いました。
ところで、昨年の6月21日の観察の際、「帰路のクロオオアリの腹部は、あまり膨れてはいませんでした」と書きましたが、今回はどうなのでしょうか。それを調べるため、クヌギの木から下りてくるクロオオアリの腹部の膨らみを見ることにしました。幾匹か見ることができましたが、いずれも腹部は膨れているようには見えませんでした。ただ、往路の写真Aと帰路の写真B(下)を比べると腹部が少し膨れているように見えます。
今回のクヌギの木は、昨年の6月21日のブログのクヌギの木よりも、より東にあります。ですから、庭からはより遠いのですが、C巣は昨年のA巣より東にありますので、巣からクヌギの木までの距離は、直線距離にしてほぼ同じ50m程です。
それにしても、50mも離れた場所にあるクヌギの木で、クロオオアリたちは何かを見つけたのですが、それはより広い行動範囲の中で偶然見つけたと考えられますから、この時期のクロオオアリの行動範囲の広さには、昨年もそうでしたが、改めて驚かされます。