月別アーカイブ: 2021年10月

ミツバチの死骸を運ぶクロオオアリ

この時期のクロオオアリは、昆虫などのタンパク源を摂ろうとしているのでしょうか。
10月30日、庭でミツバチの死体を運んでいるクロオオアリを見つけました。このクロオオアリはA巣のようです。

10月30日15時3分撮影

そして、今日(10月31日)もミツバチの死体を運ぶクロオオアリを見つけました。

10月31日13時17分撮影
13時18分撮影
13時21分撮影

これら3箇所のクロオオアリはC巣のようです。

クリオオアブラムシの新たな共生相手

クリオオアブラムシの共生相手として、これまでにクロオオアリ・トゲアリアミメアリシリアゲアリを見てきましたが、新たな共生者がいました。同定はできていませんが、おそらくクロクサアリではないかと思います。

10月30日16時12分撮影

この写真の中にハチのような昆虫が2匹写っています。1匹ではなく2匹ですから、たまたまそのに居合わせたわけではないでしょう。クリオオアブラムシの甘露目当てなのでしょうか、それとも、クリオオアブラシに寄生する寄生バチの一種なのでしょうか。

トゲアリの寄生成功を確認

9月24日に、トゲアリの女王アリ(S/N:T210912-02)の寄生の経過を書きました。その末文で「まだ確言はできないのですが、T210912-02は、寄生の極く初期の段階は達成したようです」と書いています。
9月27日、トゲアリの女王アリは、クロオオアリの働きアリから攻撃を受けることなく、クロオオアリの女王アリがいる飼育器の最下段を歩いていました。飼育器の最下段には、クロオオアリの働きアリが集まって盛り上がっている個所があり、姿は見えませんが、その中にクロオオアリの女王アリがいるようです。クロオオアリの女王アリの生死は確認できませんでした。

飼育器の最下段には盛り上がった個所がある その中にクロオオアリの女王アリがいると思われる 9月27日撮影

10月1日、クロオオアリの女王アリの姿が見えました。女王アリは横たわっていた時もあり、移動はしたものの、働きアリに引っ張られているようにも見えました。女王アリの生死は分かりません。

クロオオアリの女王アリは横たわっている 10月1日17時18分撮影
移動している 17時19分撮影
移動している 17時24分撮影

10月12日、クロオオアリの女王アリの腹部が、一瞬ですが動きました。生きているようでした。

腹部を持ち上げるように動いた 10月12日8時52分撮影

10月18日、切り離されたクロオオアリの腹部と、頭部を見つけました。頭部は、飼育器の最上階にありました。いずれも大きめであるため、クロオオアリの女王アリの遺体の一部かも知れません。

大きめの腹部 10月18日撮影
飼育器の最上階で見つかった大きめの頭部 10月18日撮影

写真に撮ってから、頭部を拡大して見ると単眼が3個写っていました。クロオオアリの働きアリには単眼はありませんので、この頭部はクロオオアリの女王アリの頭部だと分かります。腹部については、同じくクロオオアリの女王アリの腹部だとは思うのですが、確かめることはできませんでした。何れにせよ、18日までにクロオオアリの女王アリは死んでいたのです。

10月27日、飼育器の最上階で、切り離された大きいクロオオアリの胸部を見つけました。

この胸部に翅を落とした痕があれば、この遺体が女王アリの胸部であることが分かります。実体顕微鏡で確かめてみると、翅を落とした痕跡がありました。

翅を落とした痕跡があった 10月27日撮影

胸部の中は空洞になっていました。食べられたようです。

胸部の中は空洞

10月18日に見つけたクロオオアリの女王アリの頭部もまだ飼育器の最上階にありました。この頭部を飼育器から取り出し、胸部の横に置いてみると、両者の大きさのバランスが合いました。

頭部と胸部 大きさのバランスが合う

トゲアリの女王アリは異変なく、クロオオアリの働きアリの中に溶け込んでいるようです。

障害なく「自由」に歩くトゲアリの女王アリ 10月27日17時27分撮影

既に10月18日にはクロオオアリの女王アリは死んでいたのですから、10月12日以降のいずれかの日に死んだことになります。確かな記録はないのですが、10月12日以降のいつからか飼育器の最下段に、クロオオアリが寄り集まった盛り上がりがなくなっていたのですが、これはクロオオアリの女王アリが死んだからだったのでしょう。

9月16日の寄生開始からほぼ1ヶ月かけて、クロオオアリのコロニーへの寄生が完了したことになります。

意外な場所にクロオオアリの巣

敷地の西のコンクリート塀に沿って移植のために置いているコンクリートブロックに、クロオオアリがいました。体格は中程度で、「この場所に移植したコロニーのクロオオアリではなさそうだ」と思いながら、蜜を与えて巣の場所を確かめることにしました。

 蜜を与えたところ 10月18日15時28分撮影

案の定、このクロオオアリは、移植用のコンクリートブロックからは離れて行き、西の花壇を東へと歩いて行きました。やがて花壇を下り、芝地を下り、通路を横切って更に芝地を下って姿を消しました。その辺りには、砂粒がありました。

右のコンクリートブロックが出発点 左側が東
花壇を下る 15時37分撮影
芝地を下る 15時39分撮影
通路を横切る 15時41分撮影
更に芝地を下って姿を消したところ 砂粒が見える

どうやらここに巣口があるようです。蜜を与えた場所からは、14m程歩いた地点です。
この巣口の近くでクロオオアリを何匹か見かけました。

往路のようだ 15時44分撮影
往路のようだ 15時46分撮影
復路のようだ 15時47分撮影

巣口を観察しやすくするために、巣口があると思われる周辺の芝を刈りました。

すると、巣口が探せなくなったようです。幾匹も巣口を探し続けていました。

巣口を探すクロオオアリ 16時15分撮影

この場所に巣があったことは、とても意外でした。近くにはA巣がありますが、そこからは4.4m離れています。この場所の近くに移植したことはありませんので、どこからか引越してきたのかも知れません。思い当たるとすれば、B15099があります。今年7月11日のブログで、巣口が移動したことについて触れていますが、その後かなり前から、この巣口を出入りするクロオオアリがいなくなっていました。クロオオアリの体格からは、中程度の規模のコロニーだと思われ、またB15099の移動先から3m程の場所ということからも、B15099が引越してきたとも考えられます。

クリの切り跡に来ていたクロオオアリ

直前ブログのクリの木の様子ですが、枝を切った切り跡にクロオオアリが来ていました。枝を切ったのは、9月26日のことです。

10月9日16時29分撮影
10月9日16時32分撮影

切り跡から樹液が出ているのでしょう。翌日には、チョウやハナムグリも来ていました。

10月10日15時16分撮影
10月10日15時17分撮影

クリの木への高速道路と A巣の近くに新たに見つけた巣口

少し前から、庭のクリの木にクロオオアリが来ていることに気づいていました。そこで、巣からクリの木へのルートを確かめようと、改めていつものフェンス沿いの散水ホースの道を見たのですが、クロオオアリの姿はありませんでした。そして、これも少し前から気づいていたのですが、クロオオアリが芝地の中の階段を横断するのを見ていました。そこで、改めて見に行くと、階段を横断して芝地の中を歩くクロオオアリが何匹かいました。恐らく、これが巣とクリの木を結ぶルートなのでしょう。
そこで、このルートに散水ホースの「高速道路を敷設」することにしました。

中央が芝地の中の階段 左向こうに写っているのがにクリの木 散水ホースで手前のコンクリートの側溝とクリの木を結んだ 10月9日16時9分撮影

早速高速道路を利用するクロオオアリがいました。

16時10分撮影

では、このクロオオアリたちは、どこから来ているのでしょうか。コンクリートの側溝を歩くクロオオアリを追うとA巣に辿り着きました。

側溝側の散水ホースの終点から東方面を写す 16時10分撮影
側溝の東方面の麓に巣がある この巣はA巣で、芝地とコンクリートの境目に巣口があった 16時13分撮影

ところが、この巣口の上を通り過ぎ、側溝を更に東へと歩いて行くクロオオアリがいました。追ってみると、側溝よりも2段高いコンクリートブロックの階段横の芝地で姿を消しました。

コンクリートブロックの階段横の芝地 写真中央辺りでクロオオアリが姿を消した 16時20分撮影

ここは、確かにA巣に近いのですが、それでも1.7m程は離れています。

A巣の巣口は写真左下方 新たに見つけた巣口は写真右上方 この間の直線距離は1.7m程

何匹か、巣口を出入りするクロオオアリを見ました。

巣口付近のクロオオアリ 16時48分撮影

この新たに見つけた巣口の巣が、A巣かどうかは確かめていません。
この巣を仮にU巣と名付けておきます。