月別アーカイブ: 2022年5月

BM19007が引越していた

4月28日に庭に移植したBM19007ですが、移植に使った西洋ミツバチの巣箱の中に長い間留まっていました。

5月5日6時50分撮影

西洋ミツバチの巣箱の中にコロニーが留まっているのを最後に確認したのは5月12日ですが、5月24日に見ると、既に引越していました。引越に立ち合うことができませんでしたので、引越先は分からないままになりました。

同一条件下の2つのコロニーの大きさの違い

2018年に新女王アリを採集し、4年間弱飼育してきたクロオオアリのコロニーが2つあります。BH18024とBH18030です。この2つのコロニーを改めて比べて見ると、その大きさにかなりの差があることがわかります。

BH18024 5月9日撮影
BH18030 5月9日撮影

2つのコロニーとも、餌や飼育器など、同じ条件で飼育してきました。コロニーの規模の違いは、女王アリの個体差に因るものなのでしょうか。

なお、BH18030の方は、この比較の後、庭に移植しました。

西洋ミツバチの巣箱の中に入れた 5月9日16時42分撮影
池のほとりに設置 5月9日16時42分撮影

T210912-02が産卵していた

昨年の9月16日に寄生を始めたT210912-02がいる人工巣リトルアンテシェルフをアンテグラウンドⅢに繋げたことについては、先のブログに書きましたが、その後について記録しておきます。

腹部が異常なまでに膨らんでいる 5月9日撮影
飼育器の様子 下から4段目にトゲアリの女王アリがいた 5月9日撮影
女王アリがいた同じ階に卵がある 5月9日撮影
5月9日撮影

B14034+133の移植

B14034+133は、元々2014年採集のクロオオアリの2つのコロニーの合同コロニーです。
2015年11月30日に、いずれも女王アリがいるB14034(働きアリ4匹 幼生虫無し)とB14133(働きアリ13匹 幼虫10)を合併してできたコロニーです。その後ほぼ半年後には、女王アリは1匹になっています。
B14034+133は、とてもよく繁栄していて、今年の3月には雄アリがいるのを確認しています。
このB14034+133を今回は庭に移植することにしました。4月25日にBN19004を移植した同じ場所(八朔の近く)に、5月4日、西洋ミツバチ用の市販の巣箱の中に入れて移植しました。

B14034+133 とても良く繁栄している 5月4日9時18分撮影
飼育水槽を市販の西洋ミツバチ用の巣箱の中に入れた 5月4日9時24分撮影
八朔の近く 5月4日9時24分撮影

1時間半程経つと、クロオオアリはもう巣箱から出て来ていました。巣箱直下のコンクリートの隙間に出入りする働きアリや、散水ホースを伝ってコンクリートの階段の側溝を下っていく働きアリがいました。

巣箱から出て行く一団 5月4日11時01分撮影
その一団は巣箱直下のコンクリートの隙間に入っていった 5月4日11時01分撮影
散水ホースを伝ってコンクリートの階段の側溝を下りていく働きアリもいた 5月4日11時34分撮影

午後には、先程のコンクリートの隙間の他にも3箇所で巣作りを始めていました。
(以下の写真の箇所は巣箱に近いところから)

ミツバチの巣箱直下にあるコンクリートの階段の側溝の上方の割れ目
コンクリートの階段の側溝の割れ目
コンクリートの階段端の割れ目

側溝の散水ホースを伝って、かなりの数の働きアリが移動していました。その一部がコンクリートの階段端の割れ目にもやって来ていました。

コンクリートの階段と側溝の全容 上方に飼育水槽を入れたミツバチの巣箱がある 5月4日16時34分撮影

5月5日、早朝、階段端の割れ目で巣作りがかなり進んだようです。また、その位置の反対側に当たる側溝側も掘られていました。

土がかなり運び出されている 5月5日6時32分撮影
上記写真の反対側の側溝の様子 階段端と繋がっていると思われる 5月5日6時33分撮影

ミツバチの巣箱を開けて見ると、飼育水槽の中にはほとんどクロオオアリはいないように見えました。

飼育水槽の中にクロオオアリがいないように見える 5月5日6時44分撮影

夕刻、幼虫をミツバチの巣箱から運び出す働きアリがいました。巣箱直下のコンクリートの隙間に運び込みました。まだ、飼育水槽の中にクロオオアリの家族が残っていたようです。

ミツバチの巣箱から幼虫を運び出す働きアリ 5月5日18時34分撮影
巣箱直下のコンクリートの隙間に幼虫を運び込んだ 5月5日18時35分撮影

しばらくして、仲間を咥えて運ぶ働きアリもいました。

仲間を咥えて運ぶ働きアリ 5月5日18時49分撮影

5月7日になると、それぞれの箇所で巣作りがかなり進んでいました。まだ引越先が統一されていないようです。

左へ下写真へと繋がる 5月7日8時36分撮影
右が上写真から繋がる 5月7日8時36分撮影
新たに側溝の下方でも巣作りが始まっていた 5月7日8時38分撮影

更に新たにコンクリートの階段下でも巣作りが始まったようです。

階段下でも巣作りをしているようだ 5月7日8時42分撮影

飼育器の水槽の中にはもうクロオオアリはいなくなっていました。引越が完了したのでしょう。

引越が完了したようだ 5月7日8時50分撮影

それから2日後の5月9日になっても、巣作りの場所は統一できていないようです。
(以下の写真の箇所は巣箱に近いところから いずれも14時台)

元ミツバチの巣箱直下 この時クロオオアリの姿は見られなかった
枯れ芝生が埋もれてしまう程、土が積もっていた
階段端 この時クロオオアリの姿は見られなかった
階段端の反対側の側溝 ここにはクロオオアリがいた
側溝の下方
階段下 かなり巣穴が掘られたようだ

BM19001を移植した際には、次の日には巣の位置が統一されたようでしたが、この度のB14034+133では、複数個所で巣作りが行われていることから、6日経っても巣の位置が統一されていないようです。
コロニーの本体が、どこか1つの巣穴に引越しているのか、それとも分散して複数の巣穴に入ったのかは、確かめることができていません。

単独女王アリと女王アリがいないコロニーの合併

これまでに、ムネアカオオアリの同種間共存については、5例観察してきています。その内の1例では、女王アリがいない働きアリ8匹のコロニーの中に単独女王アリを入れる実験をしています。その結果は、まとめて次のように記しています。

「既に女王アリを失っているムネアカオオアリのコロニーの働きアリと、異年代(2年若い)のムネアカオオアリの単独女王アリは、単独女王アリから見て創巣の翌年の3月時点では共存できることがある。」

今回は、その類似の追試になります。違いは、単独女王アリの方が2年古い世代になることを含みます。

◎単独女王アリ RH18004
  2018年5月15日に、岡山県蒜山高原で新女王アリを採集 卵が多数
◎女王アリがいないコロニー R200603-020
  2020年6月3日か4日に、長野県駒ヶ根市で新女王アリを採集 働きアリのみ30数匹
  女王アリの遺体がある

上の飼育器(RH18004)を逆さにして下の飼育器(R200603-020)に重ねた 上下の飼育器は3箇所の穴で通じている 5月4日8時58分撮影
働きアリが上の飼育器へ上がってきた その働きアリは女王アリを攻撃しようとしている 8時59分撮影
女王アリが下の飼育器へ入った 9時00分撮影

この後、女王アリは一旦上の飼育器に戻り、再び下の飼育器へ入っていきました。下の飼育器の中で、女王アリは働きアリから攻撃されますが、女王アリの方から攻撃する場面は見ませんでした。

女王アリは、働きアリからの攻撃をかわしながら逃げていた 9時2分撮影
働きアリの方は攻撃的だ 9時2分撮影

午後6時頃になって様子を見ると、上下の飼育器の女王アリと働きアリがほとんど入れ替わっていました。

上の飼育器に大多数の働きアリがいた 女王アリの遺体(頭部なし)まで運び上げている 17時59分撮影
下の飼育器には僅かな働きアリと女王アリがいた 栄養交換をしている 18時00分撮影
働きアリの死体が2匹あった この度死んだようだ 18時03分撮影

それから3日後の5月7日に、小型の水槽の中に上下の飼育器を蓋を開けて入れ、1×4材とアクリル板で作った巣も入れました。翌日見ると、その巣の中にRH18004の女王アリとR200603-020の働きアリが入っていました。R200603-020の女王アリの遺体は、飼育ケースの中に残されていました。

1×4材とアクリル板で作った巣には側面に出入り口の穴がある 5月8日10時51分撮影
巣の中の様子 10時53分撮影

この実験結果を見る限りでは、次のように言えそうです。

「既に女王アリを失っている創巣から2年目のムネアカオオアリのコロニーの働きアリと、創巣から4年目のムネアカオオアリの単独女王アリは、共存できることがある。」

昨年採集の4コロニーを移植 その後

5月4日に、昨年新女王アリを採集したクロオオアリの4コロニーを庭に移植しましたが、2日後の6日になって、3つのコロニーに変化がありました。

◎BH210523-24(キイチゴの花壇に設置)
ニホンミツバチの巣箱を開けてみると、ちょうどその時、1匹の働きアリが幼虫を咥えて、飼育ケースから出ようとしていました。飼育ケースの中には何も残っていませんでした。

1匹のクロオオアリの働きアリが幼虫を咥えて飼育ケースから出ようとしていた 5月6日8時28分撮影

直ぐ横には、女王アリがいました。女王アリは単独で歩いていて、やがて巣箱から出て行きました。

巣箱の中の女王アリ 8時28分撮影
巣箱から出た女王アリ 8時29分撮影

巣箱の外には仲間を咥えて運んでいく働きアリがいました。その後を追ってみると、キイチゴの根元の穴に入って行きました。

仲間を運ぶ働きアリ 8時35分撮影
キイチゴの根元の穴に入っていった 8時35分撮影

その間も女王アリは、依然として単独行動をしていて、巣箱の廻りを歩いていました。働きアリと接する機会はないと考え、女王アリをフィルムケースで捕らえて、穴のあるキイチゴの根元に移動させました。

8時56分撮影

しかし、女王アリはキイチゴの根元から離れていきました。その後観察を打ち切りました。

◎BH210523-26(西花壇に設置)
西花壇の壁にクロオオアリの女王アリがいました。直ぐに芝生の中に入って行き、見失いました。

5月6日8時18分撮影

ニホンミツバチ用の簡易待ち箱の中を見ると、クロオオアリの働きアリがいましたが、BH210523-26の働きアリではないと思われる大きめの働きアリもいました。

BH210523-26の働きアリではないと思われる大きめの働きアリがいた 8時20分撮影

◎BH210523-27(西斜面下に設置)
ニホンミツバチ用の簡易待ち箱の中を見ると、飼育ケースの中には働きアリがいて卵がありましたが、女王アリはいませんでした。

飼育ケースの中に女王アリがいない 5月6日8時25分撮影

◎BH210523-25(南斜面下に設置)には、次の日の5月7日になっても変化はありませんでした。

BH210523-25 飼育ケースの中に女王アリも働きアリも幼生虫もいた 5月7日8時15分撮影

創巣からほぼ1年後のクロオオアリのコロニーを飼育ケースのまま、箱に入れて移植すると言う方法は、これまで行ったことはありませんでした。移植後2日目で4例の内3例で移植に失敗したことになりますから、クロオオアリの場合、この方法は、創巣から1年のコロニーのような小規模なコロニーには、引越そのものが、大きなリスクとなるようです。

昨年採集の4コロニーを移植

2021年の5月23日に蒜山高原で新女王アリを採集したクロオオアリの4つのコロニーを、5月4日、庭に移植しました。

BH210523-24 5月4日9時30分撮影
BH210523-24をニホンミツバチの巣箱に入れて、キイチゴ花壇に設置した 5月4日9時35分撮影
BH210523-25 5月4日9時39分撮影
BH210523-25をニホンミツバチの巣箱に入れて、南斜面下に設置した 5月4日9時41分撮影
 同上 5月4日9時42分撮影
BH210523-26 5月4日9時46分撮影
BH210523-26を自作のニホンミツバチ用の簡易待ち箱に入れて、西花壇に設置した 5月4日9時50分撮影
同上 5月4日9時50分撮影
BH210523-27 5月4日9時52分撮影
BH210523-27を自作のニホンミツバチ用の簡易待ち箱に入れて、西斜面下に設置した 5月4日9時57分撮影
同上 5月4日9時58分撮影

BN19004の引越先

BN19004を庭に移植したのは、4月25日でした。それから5日後の4月30日、いつの間にか引越が完了していました。

引越が完了していた 4月30日11時51分撮影

引越に気づかなかったので、何処に引っ越したのか分かりませんでした。
ところが、次の日の5月1日、庭の東方のブドウ園の南フェンス下に土が盛られているのに気づきました。クロオオアリの働きアリが土を運び出していました。

5月1日18時33分撮影
土を運び出すクロオオアリ 18時36分撮影
周辺の環境

確言はできないものの、ほぼ間違いなくBN19004の引越先のようです。移植場所から直線距離にしておよそ8.7m離れていますが、全行程をコンクリートを利用すれば、容易く辿り着くことができる場所です。