少し以前から、これまでは見なかった場所でクロオオアリが歩いているのを見ていました。今日(6月16日)もまた、カーポートに近い石畳の上をクロオオアリが歩いているのを見つけ、巣の在り処が分かればと思い、蜜を与えてみました。
やがて蜜で腹部を満たして、歩き始めたのですが、その方向は、クロオオアリが良く活動している南方向ではなく、反対の北方向へと進んで行きました。そして、可動式の鉄製の扉のレール伝いに進み、レール沿いのコンクリートの隙間に入って行きました。
ここに巣がありそうです。
この巣は、自然巣ではなく、庭に移植したクロオオアリのコロニーだと思います。特定はできませんが、可能性としては、BM19007ではないかと思います。
午後になって、巣穴の直ぐ近くの地面に蜜器を取り付ける測量杭を打ち込み、この巣を観察することにしました。巣穴から出て巣穴の近くのコンクリートの上を歩いているクロオオアリがいましたので、蜜器に這い上がるようにして捕らえて、このアリを蜜器に乗せたまま、その蜜器を測量杭に設置しました。
蜜器と巣穴とは、直線距離にして僅かに38cmしか離れていませんが、このアリが自然に蜜器を見つけたのではなく、巣穴の近くのコンクリートの上で捕らえ、私が測量杭の上へ移動させたからでしょうか、巣への帰路をかなり迷っていました。それでも、1分程度で巣に戻って行きました。
それから10分足らずして、巣穴から出てきたクロオオアリがいたのですが、そのクロオオアリは、巣穴の近くのコンクリートの上を何かを探すかのようにあちこちと歩き回っていました。体格からも、そのクロオオアリは先程のクロオオアリのようです。先程捕らえられた場所に蜜があると記憶しているようで、実際の蜜器がある場所が分からないようです。(帰路に道しるべを付けていないことになります)
そこで、コンクリートの上にいるそのクロオオアリを再び蜜器で捕らえ、その蜜器を測量杭の上に設置しました。
このクロオオアリも、帰路を迷いながら、巣に戻って行きました。
それから間もなく同じクロオオアリと思われる働きアリが巣穴から出てきて、自力で蜜器に辿り着きました。
そして、蜜を飲むと帰路に付いたのですが、今度は僅かに38秒で巣穴に戻りました。
このクロオオアリは、蜜の場所への往路と復路を覚えたようです。
4度、同じクロオオアリと思われる働きアリが蜜を吸いに来て、帰路につきました。
この働きアリは、ほぼ迷うことなく、巣穴の方へと芝地を歩いて行きましたが、突然何者かに襲われました。恐らく、ハエトリグモに襲われたと思いますが、そのクモは芝生の中に身を潜めたようで、本当のところは確かめることはできませんでした(これまでの観察から、ハエトリグモは初めに獲物に一撃を加え、獲物から離れます)。
観察は突然終わってしまいました。