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飼育下でクロオオアリの女王アリ誕生

B15006は現在飼育しているクロオオアリのコロニーの中では、最も大きなコロニーです。このコロニーの女王アリは、2015年の5月27日に長野県駒ヶ根市内で採集しました。2018年6月5日には、飼育容器のコンクリート人工巣を活動室として製作したアンテグラウンドⅠ型に繋げ、2018年7月24日からは、特別仕様のアンテシェルフ「17段2226カスタムメイドアンテシェルフ」をコンクリート製人工巣に繋げました。後に、コンクリート人工巣は取り外しています。
今年の5月9日、女王アリの腹部は異状と言えるほど膨れていました。今年になって卵をたくさん産んでいました。

女王アリの腹部が異状に膨らんでいる 5月9日20時42分撮影
今年になって産んだ卵が多数ある 5月9日20時42分撮影

その後、異様に大きな繭を目にするようになりました。

「17段2226カスタムメイドアンテシェルフ」の様子 6月16日撮影
アンテグラウンドⅠ型の様子 6月16日撮影
雄アリも見られる 6月16日撮影
異様に大きな繭と卵 6月16日撮影

この異様に大きな繭からは、大型の働きアリが生まれてくるのでしょうか。それとも、女王アリの繭なのでしょうか?
6月30日、その大きな繭の正体が分かりました。有翅女王アリが1匹アンテシェルフの中にいたのです。

有翅女王アリ 6月30日21時15分撮影

他にもいないかと探しましたが、この1匹だけでした。

これから多数の新女王アリが生まれてきそうだ 6月30日21時19分撮影
アンテシェルフの中を俯瞰すると 6月30日21時20分撮影

私の飼育下では初めて、クロオオアリのコロニーに新女王アリが誕生しました。これから7月にかけて多数の新女王アリが誕生することになりそうです。
ところで、この時期は自然界での新女王アリの誕生時期と同じなのでしょうか。そうだとすると、6月の末から7月にかけては、既に結婚飛行が終わっている時期ですから、クロオオアリの有翅女王アリは、およそ1年間親巣の中で暮らすことになります。

庭で水を飲みに来たクロヤマアリ

アリたちは、自然界(庭)でも水をわざわざ飲みに来るのでしょうか。
飼育している西洋ミツバチ用に、水を入れて陶器の鉢皿を庭に置いていたのですが、その水を飲みにクロヤマアリが来ていました。とても暑い日が続いていたとは言え、意外でした。

クロヤマアリが水を飲んでいた 6月30日9時26分撮影
腹部が膨れている 6月30日9時28分撮影

今年も梨の木にアブラムシ

2019年6月10日のブログで梨の木のアブラムシについて書いていますが、今年も二十世紀梨にナシミドリオオアブラムシが葉裏に付いていました。

ナシミドリオオアブラムシ 翅のある成虫もいる 6月20日7時4分撮影

そこにクロオオアリやクロヤマアリがやって来ていました。

葉に落ちている甘露を舐めるクロオオアリ 6月20日7時7分撮影

テントウムシもやって来ていました。

ナミテントウ 6月20日7時6分撮影
ナミテントウ 6月20日7時10分撮影

ナシミドリオオアブラムシがかなりの数になっていましたので、見つけた限りで、歯ブラシと直接指でアブラムシを葉裏から落としました。
しばらくして気づいたのですが、葉裏から落としたアブラムシをクロヤマアリがあちこちで咥えて運んでいました。アリが樹上のアブラムシを狩るところはまだ見たことはないのですが、人間に殺されたアブラムシは餌になるようです。

死んだアブラムシを運ぶクロヤマアリ 6月20日7時40分撮影

クロオオアリが腹部を膨らませて、梨の木から下りて帰路を急いでいました。

帰路を急ぐクロオオアリ 腹部が膨れている 6月20日7時43分撮影
6月26日15時55分撮影
6月26日15時58分撮影

幸水梨にもナシミドリオオアブラムシが付いていました。

幸水梨に付いたナシミドリオオアブラムシ 6月26日16時22分撮影

幸水梨に付いていたアブラムシも、見つけた限り、歯ブラシと直接指で葉裏から落としましたが、ここではクロオオアリが、そのアブラムシを運んでいるところを見ました。

死んだアブラムシを運ぶクロオオアリ 6月26日16時47分撮影

鉄製の扉のレール沿いに新巣を発見

少し以前から、これまでは見なかった場所でクロオオアリが歩いているのを見ていました。今日(6月16日)もまた、カーポートに近い石畳の上をクロオオアリが歩いているのを見つけ、巣の在り処が分かればと思い、蜜を与えてみました。

蜜を飲むクロオオアリ 6月16日8時49分撮影
上記場所の俯瞰

やがて蜜で腹部を満たして、歩き始めたのですが、その方向は、クロオオアリが良く活動している南方向ではなく、反対の北方向へと進んで行きました。そして、可動式の鉄製の扉のレール伝いに進み、レール沿いのコンクリートの隙間に入って行きました。

可動式の鉄製の扉のレール伝いに歩いて行く 8時53分撮影
写真中央のレール沿いのコンクリートの隙間の中に入って行った

ここに巣がありそうです。
この巣は、自然巣ではなく、庭に移植したクロオオアリのコロニーだと思います。特定はできませんが、可能性としては、BM19007ではないかと思います。

午後になって、巣穴の直ぐ近くの地面に蜜器を取り付ける測量杭を打ち込み、この巣を観察することにしました。巣穴から出て巣穴の近くのコンクリートの上を歩いているクロオオアリがいましたので、蜜器に這い上がるようにして捕らえて、このアリを蜜器に乗せたまま、その蜜器を測量杭に設置しました。

蜜を飲み始めたクロオオアリ 15時36分撮影

蜜器と巣穴とは、直線距離にして僅かに38cmしか離れていませんが、このアリが自然に蜜器を見つけたのではなく、巣穴の近くのコンクリートの上で捕らえ、私が測量杭の上へ移動させたからでしょうか、巣への帰路をかなり迷っていました。それでも、1分程度で巣に戻って行きました。

測量杭を下りて行く 15時39分33秒撮影
巣穴に到達した 15時40分42秒撮影

それから10分足らずして、巣穴から出てきたクロオオアリがいたのですが、そのクロオオアリは、巣穴の近くのコンクリートの上を何かを探すかのようにあちこちと歩き回っていました。体格からも、そのクロオオアリは先程のクロオオアリのようです。先程捕らえられた場所に蜜があると記憶しているようで、実際の蜜器がある場所が分からないようです。(帰路に道しるべを付けていないことになります)
そこで、コンクリートの上にいるそのクロオオアリを再び蜜器で捕らえ、その蜜器を測量杭の上に設置しました。

巣の近くのコンクリートの上を歩いていたクロオオアリを蜜器に登らせたところ 15時52分撮影

このクロオオアリも、帰路を迷いながら、巣に戻って行きました。

蜜を吸って巣穴まで戻ってきた15時57分撮影

それから間もなく同じクロオオアリと思われる働きアリが巣穴から出てきて、自力で蜜器に辿り着きました。
そして、蜜を飲むと帰路に付いたのですが、今度は僅かに38秒で巣穴に戻りました。

蜜を吸って測量杭を下りてきた 16時3分28秒撮影
巣穴に戻ってきた 16時4分6秒撮影

このクロオオアリは、蜜の場所への往路と復路を覚えたようです。
4度、同じクロオオアリと思われる働きアリが蜜を吸いに来て、帰路につきました。

16時10分撮影

この働きアリは、ほぼ迷うことなく、巣穴の方へと芝地を歩いて行きましたが、突然何者かに襲われました。恐らく、ハエトリグモに襲われたと思いますが、そのクモは芝生の中に身を潜めたようで、本当のところは確かめることはできませんでした(これまでの観察から、ハエトリグモは初めに獲物に一撃を加え、獲物から離れます)。

何者かに一撃を加えられたクロオオアリ 16時11分撮影

観察は突然終わってしまいました。

観察しやすくするために、蜜器周辺の芝を刈った 16日16時24分撮影
観察場の俯瞰 中央右に測量杭が見える

トゲアリ自然入居その後

6月8日に人工巣箱に自然入居を確認した庭のトゲアリですが、その翌日、巣箱を出入りしていました。

6月9日9時9分撮影

それから4日後の6月13日、巣箱を見ると、巣箱を出入りするトゲアリはいませんでした。

トゲアリが見当たらない 6月13日15時14分撮影

6月16日、人工巣箱に程よく近い場所のイチジクドーフィンの主枝に、トゲアリがいました。蜜を与えました。

6月16日15時10分撮影

人工巣箱の出入り口には、小型のアリがいました。トゲアリは、人工巣箱から出て行ったのでしょうか。

人工巣箱の出入り口には小型のアリがいた 15時11分撮影

トゲアリがいる箇所を別の角度から見ると、亜主枝を切断した痕の窪みにもトゲアリがいました。中が開けた空洞になってはいないようです。
以前女王アリを見つけた杭周辺にはトゲアリの小集団はありませんでした。

亜主枝を切断した痕の窪み 15時21分撮影
杭周辺の様子 15時23分撮影

何処にも女王アリの姿はありません。もし、女王アリがいるとしたら、亜主枝を切断した痕の窪みの奥なのでしょうか。

B14034+133の引越先

5月4日に庭に移植したクロオオアリのコロニーのB14034+133は、5月9日になっても、複数個所で巣作りが行われていて、巣の位置が統一されていないようでした。5月10日以後は、自宅に不在の期間があり、その後の観察はできていませんでした。
それから1ヶ月以上が経った6月13日、引越先の手がかりを得たいと思い、コンクリートの階段で観察をしていると、側溝でクロオオアリを見つけました。早速蜜を与えました。

コンクリートの階段横の側溝に垂らした蜜を飲むクロオオアリ 6月13日14時43分撮影

そのクロオオアリはやがて帰路についたようです。後を追って行くと、側溝の中の散水ホースを伝って上へと歩き始めました。そして、側溝の最上部に達すると、その散水ホースを伝って進路を右にとり、石板の溝蓋の下を潜り抜け、やがて側溝の割れ目の中に入って行きました。

散水ホースを伝って上へと登って行く 14時43分撮影
側溝の最上部に達するとホースに沿って右に進んだ 14時44分撮影
石板の溝蓋の下を潜り抜けた 14時45分撮影
側溝の割れ目の中に入って行った 14時45分撮影

この側溝の割れ目の場所については、5月9日までの観察では、観察の対象にはなっていませんでした。しかし、移植用に使った西洋ミツバチの巣箱からその方面へ歩いて行く働きアリが極く少数ながらいることに気づいてはいました。
再び階段の下の方へ行くと、腹部が膨らんだ働きアリが歩いていました。その働きアリを発見した場所から考えて、先程側溝に垂らした蜜を飲んだのではないようでした。その後を追って行くと、先程の働きアリと同じコースを歩いて、この働きアリも側溝の割れ目に入って行きました。

この働きアリも同じ側溝の割れ目に入って行った 14時50分撮影

その側溝の割れ目から出てくる働きアリもいました。

側溝の割れ目から出て来た働きアリ 14時50分撮影

確かに、ここがクロオオアリの巣になっていることが分かりました。
ところで、帰巣した2匹目の働きアリは、側溝で与えた蜜を飲んだわけではないのに腹部が膨らんでいたのですから、どこかに蜜源があるはずですので、その蜜源を探すことにしました。そこで、側溝の割れ目の巣とは反対方向に歩いて行く働きアリが階段の下の方にいましたので、その後を追ってみました。
すると、かなり離れたところに設置していた蜜器に辿り着きました。この蜜器には午前中に蜜を入れていました。

階段の下の方を歩いていた働きアリが蜜器に辿り着いた 14時55分撮影
蜜器は階段からかなり離れた場所にある

この新たに発見した巣のコロニーは活発に活動していることが分かります。このコロニーは、巣の位置から考えて、B14034+133に間違いないでしょう。

移植場所と巣の位置関係 巣は写真手前の側溝の下部の割れ目にある 移植用の巣箱は写真奥のコンクリートブロックの上に載せるように置いていた

ちなみに、移植直後、巣作りが盛んに行われていた場所にはクロオオアリはいませんでした。

巣作りが盛んに行われていたここにも、もうクロオオアリの姿はない 6月13日15時9分撮影

今年初めて見た庭のクロオオアリの結婚飛行

今年は、自宅不在の期間があったため、庭のクロオオアリの結婚飛行を観察する機会が少なくなっていました。そのため、今後の観察でもメインの結婚飛行の日を特定できないかも知れません。
それでも観察できた限りでは、これまでは結婚飛行に飛び立つ羽アリを見ませんでしたが、今日6月12日、ついに結婚飛行に飛び立つ羽アリを観察しました。但し、巣口周辺から羽アリが飛び立つのを目撃できたのはA巣のみでしたし、それはメインの結婚飛行ではなかったように思います。

以下は13時過ぎ様子です。羽アリは飛び立っていないようでした。

A巣 3箇所の巣口の西側 6月12日13時8分撮影
A巣 3箇所の巣口の中央 13時8分撮影
A巣 3箇所の巣口の東側 13時9分撮影
近くの蜜器に登ってきた有翅女王アリ 飛び立ちはしなかったようだ 13時21分撮影
C巣の様子 拡張された巣口から働きアリや羽アリが外を窺っていた 13時14分撮影

15時24分ごろ、A巣の巣口の廻りで働きアリや羽アリの動きがにわかに活発になり、雄アリが飛び立つようになりました。有翅女王アリも多数巣から出て行きました。有翅女王アリが飛び立つところは目撃できませんでしたので、飛び立ったか断言はできないのですが、巣穴に戻ってくる有翅女王アリは僅かでしたので、飛び立ったのではないかと考えています。

A巣の2箇所の巣口周辺の様子 15時24分から2分間の動画 前半はタイムラプス撮影 後半は通常撮影
C巣の様子 15時19分撮影
C巣のもう1つの巣口の様子 15時31分撮影

ところで、結婚飛行の際には、働きアリや羽アリが多数巣口に出てくるので、巣口を簡単に見つけることができます。それらの巣は、羽アリがいるコロニーですので、大きなコロニーであることも分かります。

① 昨年、A巣の東上で見つけた巣口(U巣)がありましたが、その時にはこの巣のコロニーの規模は分からないでいました。この度、羽アリかいることが分かりましたので、この巣がA巣でなければ、別の大きなコロニーであることが分かります。

巣口に羽アリが出て来ていた 17時46分撮影
巣口の位置 A巣の東上1.7m程のところ 17時50分撮影

② 柿の切り株の周辺に有翅女王アリや雄アリがいました。気づくのが遅かったためか、羽アリの数は多くはなかったのですが、この場所にもクロオオアリの巣があることが分かりました。

柿の切り株の周辺 分かりにくいが、写真左上には有翅女王アリが写っている 17時48分撮影
柿の切り株の周辺の全景 手前には踏み石がある
A巣の東上の巣口と柿の切り株との位置関係 A巣の東上の巣口は左のコンクリートブロックの手前にある

この柿の切り株周辺にあると思われるクロオオアリのコロニーは、2018年5月21日に発見した自然コロニー(J巣 移植コロニーではなく)なのかも知れません。

③ C巣では3箇所から羽アリが出て来ていました。いずれも20cm四方のトラバーチンという岩石の踏み石の通路の上方にあります。かつては、この通路の下方に巣口があったのですが、そして昨年の春にも通路の下方に巣口があることを確認していましたが、今回改めて通路の下方にも巣口があることが分かりました。

踏み石の通路の下方にも巣口があることが分かった 18時2分撮影
写真中央辺りに巣口があった 上方に通路がある

今日、結婚飛行があったとは言え、巣の中には、まだ相当数の羽アリが残っているようです。

おめでとう! 結婚11年記念日

昨年、結婚飛行から10年目を迎えるクロオオアリの3つのコロニーを紹介しましたが、同じ3つのコロニーの女王アリが11年目の結婚記念日を迎えました。

左からB110608-06、B110608-07、B110608-11

① B110608-06(2011年6月8日新女王アリを採集)

小規模なコロニーです。

② B110608-07(2011年6月8日新女王アリを採集)

大規模なコロニーです。

③ B110608-11(2011年6月8日新女王アリを採集)

小規模なコロニーです。ここには写っていませんが、幼生虫が僅かにいます。

クロオオアリの女王アリが、飼育下で、11年以上生きることが実証されました。11年以上としたのは、結婚飛行に飛び立つ前年に成虫になっていると考えられるからです。

移植トゲアリの避難先と自然入居

6月5日に移植トゲアリが大量死しているのに気づきましたが、3日後の6月8日に、生き残ったトゲアリがいるのかどうかを、元の巣があったクリの切り株辺りから周辺へと調べてみました。
すると、切り株の直ぐ上のドーフィン(イチジク)とロープで繋がっているヌアールK(イチジク)の主枝、を歩くトゲアリを見つけました。そこで、蜜を与えました。

ヌアールKの主枝に蜜を垂らした 6月8日14時15分撮影

やがて、腹部を膨らませて早足に歩き始めました。途中で仲間に出会うと、蜜を分け与えていました。そして、茎や葉で繋がっていたビックリグミの木の小枝をその木の中心方向へと歩いて行きました。

蜜を分け与える 下が帰路のトゲアリ 帰路の逆方向からもトゲアリがやって来ている 14時18分撮影
ビックリグミの小枝を奥へと進んで行った 14時20分撮影

どうやらこのビックリグミの周辺に引越先の新居がありそうです。
蜜を垂らした箇所を見ると、数匹のトゲアリが集まっていました。その内の1匹が腹部を膨らませて歩き始めましたが、意外にもヌアールKの主枝を反対方向へと進んで行きました。そして、ロープを伝って杭に取り付き、更にその上方から隣りの杭へ渡り、隣りの杭を下って行きました。反対側へ回り込んで見ると、そこにトゲアリの女王アリがいました。

ヌアールKの主枝からロープを伝って杭へ取り付いたトゲアリ 14時28分撮影
その隣りの杭にトゲアリの女王アリがいた 14時30分撮影

しばらくその場を離れ、再び見に行くと、女王アリが隣りの杭へと移動していました。

14時51分撮影

昨年の8月に、このトゲアリが引越をした際に1×4材で作った縦89mm×横127×奥行120mmの巣箱を持ってきて、杭の下方に置きました。

杭の下方に巣箱を置いた 後に巣箱の前面と後面を逆方向にして置いた 14時52分撮影
このコロニーの女王アリ 右の中脚と後脚を失っている 14時59分撮影

夕刻になって見に行くと、巣箱を出入りしていました。

17時58分撮影
17時58分撮影
17時59分撮影

巣箱がトゲアリに気に入られたのか、トゲアリが自然入居したことになります。杭の上部を両方向から見てもトゲアリはいませんでしたので、女王アリもこの巣箱に入ったのでしょう。

トゲアリはいない 18時3分撮影
反対側から見てもトゲアリはいない 18時30分撮影

トゲアリが人工的な巣箱に自然入居したのですから、これは新たな発見であり新たな知見です。
15時頃、ヌアールKの主枝に蜜を追加しておいたのですが、夕刻見ると、その蜜がほとんど減っていないように見えました。このことから、巣箱に入った働きアリの個体数は少ないように思います。
ところで、最初に見つけたトゲアリが、蜜を吸った後ビックリグミへと戻って行ったのですから、そちらにもトゲアリの集団があるように思います。しかし、そのことは確認できないままになりました。

移植トゲアリの大量死

昨日、蛹や幼虫入りのミツバチの巣を、庭の2つの移植トゲアリの生活圏に置いておきました。
今日(6月5日)見に行くと、2つのコロニーの内、去年移植したT140906-03が、クリの切り株の上や横で大量に死んでいました。

クリの切り株の上や横でたくさんのトゲアリが死んでいた 6月5日10時50分撮影

トゲアリがたくさん死んでいるちょうどその辺りにミツバチの巣を置いていたのですが、そのミツバチの巣は、切り株の下に落ちていました。巣は砕かれ、幼虫や蛹は無くなって蜜蝋だけになっていました。

巣房の中の幼虫や蛹は何者かに食べられたようだ 10時50分撮影

トゲアリの死体は、バラバラではなく、傷ついてもいないようなので、何者かがどのようにしてトゲアリを殺したのか不思議です。
近くに生きているトゲアリがいないか探してみると、幼虫を咥えて歩いているトゲアリの働きアリがいました。また、日常よく見たロープを伝って歩くトゲアリもいました。しかし、クリの切り株の巣口辺りには、生きているトゲアリの姿はありませんでした。

幼虫を咥えて歩くトゲアリ 行き先が定まっていないようだ 11時6分撮影
ロープを伝って歩くトゲアリ

トゲアリの巣があるクリの切り株には、小型のアリが相当数いました。その小型のアリは、かつて切り株に空けた径6mmの穴を出入りしていました。

小型のアリ 11時16分撮影
径6mmの穴の中にも小型のアリがいた 11時16分撮影

トゲアリのコロニーは無事なのでしょうか。とても心配です。