月別アーカイブ: 2022年11月

ビワの花とクロヤマアリ

庭でビワの花が咲いています。このビワの花にも花蜜があるようです。ミツバチは、晩秋から冬にかけての花の少ない時期に、このビワの花から花蜜を集めています。

ビワの花から花蜜を集めるセイヨウミツバチ 2021年12月11日撮影

先日、珍しいビワの蜂蜜を購入しました。

色が薄く透明感のある蜂蜜だ

庭のビワの花にはクロヤマアリが来ていました。花蜜を集めているのでしょう。

2022年11月24日11時40分撮影
11月24日11時41分撮影

11月のクリオオアブラムシ

今年はクリの木に例年になく多くのクリオオアブラムシがいます。
2019年の2月21日に植樹したクリの木(品種名「ぽろたん」)には、クロオオアリが来ていました。

「ぽろたん」樹上のクリオオアブラムシとクロオオアリ 11月24日11時36分撮影
「ぽろたん」の木 矮性台の木でまだ樹高は低い

大木を切り詰めて再生させた2本のクリの木には、クリオオアブラムシの塊が8箇所ありました。これらにはクロヤマアリが来ていて、クロオオアリはいませんでした。

11月24日11時43分撮影
11月24日11時45分撮影
11月24日11時46分撮影
11月24日11時46分撮影
11月24日11時46分撮影
11月24日11時48分撮影
11月24日11時49分撮影
11月24日11時49分撮影
大木を切り詰めて再生させた2本のクリの木 切り株から枝が出ている

閉じられた巣口

ムネアカオオアリのRH18004とR200603-020の合併コロニーの巣口がバッタの死骸等で塞がれていました。冬支度なのでしょう。

巣に入る唯一の巣口がバッタの死骸等で塞がれていた 11月22日14時55分撮影
合併コロニーの巣の中の様子

ところが巣の外に2匹の働きアリがいました。締め出されているようです。蜜を与えると飲み始めました。

蜜を飲む2匹のムネアカオオアリ 14時55分撮影

蜜を飲み了えると、2匹のムネアカオオアリの内1匹のムネアカオオアリは、巣口へと向かいましたが、巣口が塞がれているので巣の中に戻れません。頭部を巣口に突っ込んで詰め物を取り出し始めました。

頭部を巣口に突っ込んでいる 14時59分撮影
詰め物を取り出している 15時0分撮影 

暫くすると、ぎりぎり通れるようになったようです。巣の中に入って行きました。

後脚を伸ばしてくぐり抜けようとしている 15時5分撮影 

直短寄生が2例のみ残る

直短寄生の4例のその後ですが、11月10日には、1例目の T20220910-68では働きアリが1匹、5例目のT20220910-19では働きアリが6匹死んでいました。
11月13日になると、その1例目と5例目の女王アリが死亡していました。何れも給水用のペットボトルの蓋の中で見つかりました。死んでから、水の中に捨てられたのだろうと思います。

1例目の T20220910-68の死 11月13日撮影
5例目のT20220910-19の死 11月13日撮影

同日、3例目のT20220910-16と4例目のT20220910-18は、それぞれ働きアリが1匹死んでいました。11月22日になると、3例目では6匹の働きアリが、4例目では2匹の働きアリが死んでいました。
直短的社会寄生の試みは、残るは2例のみです。

トゲアリT140906-40の11月の食性

飼育下のトゲアリは、飼育下のクロオオアリと比べると春のより早い時期から、動物性の餌を食べるようです。それでは秋の終わり頃の食性はどうなのでしょう。今日(11月13日)の数日前に、T140906-40にバッタを与えておきました。

T140906-40の巣の中の様子 11月13日撮影
数日前に与えておいたバッタ かなり食べ進んでいた 11月13日15時51分撮影

動物性の餌を食べるようです。今日は蜜を与えましたが、食べ残すことなく全部食べてしまいました。

蜜を完食する直前 11月13日16時33分撮影

アンテグラウンドに開放蓋を作る

開放仕様の蓋については、既に今年の9月2日にクロオオアリのコロニーのB110608-07用の餌器の蓋として作っています。それから2ヶ月経過しましたが、クロオオアリが餌器から脱走することは1度もありませんでした。そこでこの度は、既に使っている3仕様4台のアンテグラウンド用に、開放仕様の蓋を作ることにしました。
開放仕様の蓋と言うのは、物理的にプラスチックやガラスなどでケースを閉ざすのではなく、ケースの内外の空間が繋がっている枠だけの蓋のことを言います。ただ、そのままでは、アリはケースの側面を上ってきて脱走しますので、ベビーパウダーに無水エタノールを混ぜて開放蓋の内側前面に塗っておきます。

アンテグラウンドⅠ型に設置した開放蓋 クロオオアリB15006を飼育 11月2日撮影
アンテグラウンドⅡ型に設置した開放蓋 トゲアリT140906-40を飼育 11月5日撮影
アンテグラウンドⅢ型に設置した開放蓋 クロオオアリBK170530-081を飼育 11月5日撮影
アンテグラウンドⅢ型に設置した開放蓋 トゲアリT210912-01を飼育 11月5日撮影

開放蓋は3mm厚のアクリル板で作っています。開放蓋の四方を囲む枠の幅は33mmで、この枠に30mm幅のアクリル板を垂直に取り付けています。

33mm幅の枠に垂直に取り付けている30mm幅のアクリル板 ベビーパウダーを両面に塗っている アリが脱出するには最大の難所となる
同上(内側から見ると) 33mmの枠の内側にもベビーパウダーを塗っている
アンテグラウンドⅠ型の開放蓋 1/2個分
アンテグラウンドⅡ型の開放蓋 1/2個分
アンテグラウンドⅢ型の開放蓋 1/2個分

ケースの中の空気を吸い出すために設置していたUSB仕様の送風ファンは不要になりますが、水槽の濾過器はそのまま使うことにしました。そこで、電源コードを伝って脱出するのを防ぐために電源コードに「アリ返し」を取り付けました。電源コードとアリ返しにもベビーパウダーを塗っています。

アリ返し ベビーパウダーを塗っている
アリ返しは2枚を重ねて切り込みで電源コードを挟み込む

庭のトゲアリ 分巣を形成

今日は、庭のトゲアリ(T130921-09)をクリの木で見かけました。吊り下げ巣箱から出てくるトゲアリもいました。

吊り下げ巣箱のあるクリの木 トゲアリの働きアリがいた 11月3日14時35分撮影
巣穴から出ようとしているトゲアリの働きアリ 14時36分撮影

そこで、蜜をクリの木の幹に垂らしました。

14時46分撮影
14時50分撮影

蜜を吸ったトゲアリは、意外にもクリの木の幹を下って行きました。

蜜を腹部に貯めてクリの木の幹を下って行く 14時52分撮影

吊り下げ巣箱の方に目をやると、1匹の働きアリが、何かを咥えて巣穴から出てきました。後を追って行くと、このトゲアリもクリの木の幹を下って行きました。そして、地面際の朽ちた箇所へ入って行きました。

何かを咥えて巣穴から出てきた 虫の肢の一部のようにも見える 15時0分
クリの木の幹を下って行く 15時2分撮影
クリの木の幹 右の地面際に朽ちた個所がある

他方、蜜を吸って吊り下げ巣箱に戻って行く働きアリも見ました。

蜜を吸って吊り下げ巣箱へと向かう働きアリ 15時11分撮影

巣が2つに分かれているのでしょうか。今度は、昆虫を与えてみましょう。どちらの巣に運ぶでしょうか。

1匹で運べる大きさのクモを与えた 15時25分撮影
地面際の朽ちた箇所へ運んで行った 15時28分撮影

次に、大きめのクモを与えてみました。複数匹のトゲアリの働きアリがクモを分解し始めましたが、分解にかなり時間がかかっていましたので、クモの足を1本カッターで分離し、それを運び始めたトゲアリの後を追いました。このトゲアリもクモの肢を地面際の朽ちた箇所へ運んで行きました。

大きめのクモを与えた 15時32分撮影
15時38分撮影
地面際の朽ちた箇所へ運んで行った 16時11分撮影

T130921-09は2箇所に分かれて生活しているようです。吊り下げ巣箱と地面際の朽ちた箇所のどちらが本巣になっているのかは推測するしかないのですが、一連の観察からは、地面際に本巣がありそうです。女王アリもそちらにいるのでしょうか。