月別アーカイブ: 2024年1月

B15006 清掃後の様子

昨年の12月28日から今年の1月7日にかけて、現在飼育中の全40コロニー(クロオオアリ25、ムネアカオオアリ7、トゲアリ8)の飼育器を清掃しました。その内、B15006については、本巣が入っている17段アンテシェルフの清掃時に、全ての個体をアンテシェルフから取り出して清掃しました。

清掃途上の様子 衣裳ケースの中 12月28日撮影

そのため、清掃後に、取り出したアリたちをアンテシェルフに戻らせかったのですが、その後、かなり日が経っても半数さえも戻っていないようでした。

17段アンテシェルフの中 1月31日撮影

残りは、活動室のアンテグラウンドⅠ型の中に留まっていました。身を寄せあう場所がないと死亡する可能性が高くなりそうですので、活動室の中にベニヤ板を加工して狭い空間を作りました。幸いにも、今、その空間にクロオオアリたちが寄り集まっています。

このような空間を活動室の中に3ヶ所作っておいた 1月31日撮影

以前からのトゲアリ3例の様子(2024年1月31日)

2022年の9月に寄生を始めた5例のトゲアリのコロニーの様子については、1月15日に触れています。この5例の他には、それ以前から飼育しているトゲアリのコロニーが3例あります。
その内、最も古く、また最も大きなコロニーになっているのは、T140906-40です。
(2012年6月14日にクロオオアリの新女王アリを採集したコロニー〈B-NESTCON01024〉に2014年9月11日に寄生開始)

T180919は、2015年5月15日に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニー(B15002)に2018年9月22日に寄生を開始したトゲアリのコロニーです。

T210912-02は、2017年5月30日に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニー(BK170530-040)に2021年9月16日に寄生を開始したトゲアリのコロニーです。

トゲアリの働きアリがとても増えているのがわかる
棚の上段にはクロオオアリが多数見られる

「10年目の再生コロニー」で 無精卵産卵

B120614-03は、2012年に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーです。昨年の9月18日のブログで、「現有の幼生虫が羽化してみなければ、断定はできないのですが、もし働きアリが増えずに、雄アリが増えるようでしたら、B120614-03は産卵能力は残っているものの、有精卵を産む能力はなくなっていることになるでしょう。」と結んでいます。
そのB120614-03の1月21日の様子は、次のようです。

1月21日撮影

これを9月18日の写真と比べてみると、1月の方が雄アリが多いように見えます。

2023年9月18日撮影

9月18日の記録では、働きアリが25匹、雄アリが16匹でした。今回は寒さのため塊になっているので、正確に個体数を数えることはできませんでしたが、働きアリは17匹ほど、雄アリの方は20匹以上は確実にいるようです。
多数の雄アリの中で、翅が伸び切っていない雄アリが2個体がありました。

翅が伸び切っていない雄アリ 女王アリも写っている

9月18日の時点では、このような翅が伸び切っていない雄アリはいませんでしたから、その時の幼生虫の中に雄アリの幼生虫がいたことが分かります。
以上のことから「B120614-03は産卵能力は残っているものの、有精卵を産む能力はなくなっている」と結論づけてもよいのではないかと思います。
この女王アリは、成虫になったのが2011年の6月の末から7月にかけてだとすれば、12歳6ヶ月程になります。いつまで生き続けることができるのか、興味深いものです。

参照:
「10年目の再生コロニー」(B120614-03)のその後(2023/09/18)
採集から11年目のコロニー2つ(2023/06/14)
11歳女王アリのコロニーを再生(2022/07/12)
大きなコロニーでの雄アリ誕生3例目(2022/03/22)
B120614-03に 30匹程の雄アリに(2021/07/08)
クロオオアリの雄アリが食べられる(2021/05/11)
クロオオアリとトゲアリの越冬幼虫の様子(2021/03/01)
クロオオアリのコロニーに雄アリが生まれる(2020/07/10)

16.2mL大気圧給水器を製作

コンクリート製のカップ型人工巣用に、W拡張開放蓋と25mL大気圧給水器を作成したことについては、既に2023年の2月2日のブログで書きましたが、この度、新たにより小型の大気圧給水器を同じコンクリート製のカップ型人工巣用に作りました。

容量は16.2mL

貯水部の内法を一辺25mmから18mmにし、高さを40mmから50mmに変更しています。容量は、16.2mLです。
これまでの25mLの給水器も利用できていましたが、給水器がW拡張開放蓋の中央からずれてクロオオアリが脱出したことがありました。そこで、より余裕を持って給水器をW拡張開放蓋の中央に置けるように横幅を短くしています。

両者の横幅の比較
W拡張開放蓋の中央に25mL大気圧給水器を置いたところ
給水器をW拡張開放蓋の中央により余裕を持って置けるようになった

一時的社会寄生のトゲアリ5例の様子(2024年1月15日)

この寄生トゲアリの5例の様子は、昨年の9月7日に取り上げて以来となります。この5例は、何れも2022年の9月に寄生を始めたコロニーです。

トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )

寄生が順調なようだ

トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )

昨年の9月同様トゲアリの働きアリはいない
トゲアリの女王アリは健在のようだ トゲアリの越冬幼虫はいない

昨年の9月にはトゲアリの女王アリが卵を産んでいましたが、育たなかったようです。

トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )

トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )

昨年の9月同様トゲアリの働きアリはいない
トゲアリの女王アリは健在のようだ トゲアリの越冬幼虫はいない

昨年の9月には、トゲアリの卵が多数ありましたが、育たなかったようです。

ちなみに、同世代のクロオオアリのコロニーの様子です。

働きアリがとても多い
越冬幼虫が多数見られる

直短寄生のT20220910-18のその後 観察終了

直短寄生のトゲアリT20220910-18では、昨年の10月20日に働きアリ(トゲアリ)が1匹のみになっていました。そして、11月25日に見ると、女王アリのみになっていました。

昨年11月25日撮影

しばらくの間、そのままにしておきましたが、今年になって1月6日に、小型水槽の飼育器から女王アリを取り出しました。

1月6日撮影

この日を持って、T20220910-18の観察は終了することにしました。2022年の9月から始めた直短的社会寄生の試みは、5例ありましたが、いずれもコロニーの創成には至らない結果になりました。

参照:T20220910-18関連
2022年9月25日のブログ「2022年トゲアリの直短寄生の試み 3・4・5」
2022年10月6日のブログ「直短寄生5例のその後(10月6日)」
2022年10月25日のブログ「直短寄生4例のその後(10月25日)」
2022年11月22日のブログ「直短寄生が2例のみ残る」
2023年1月9日のブログ「直短寄生2例のその後(1月9日)」
2023年5月30日のブログ「直短寄生2例のその後(5月30日)」
2023年6月12日のブログ「直短寄生2例のその後 子育て開始? 成員増は不可」
2023年7月25日のブログ「孵化がまだのT20220910-18」
2023年8月1日のブログ「直短寄生のT20220910-18 巣から出る」
2023年9月18日のブログ「直短寄生のT20220910-18 働きアリが2匹に」
2023年9月29日のブログ「直短寄生のT20220910-18 卵がなくなる」
2023年10月20日のブログ「直短寄生のT20220910-18 働きアリが1匹になる」