月別アーカイブ: 2024年4月

クロオオアリとダンゴムシ

ダンゴムシがクロオオアリの餌になれば、とても豊富な食源になると思うのですが、クロオオアリがダンゴムシを狩っているところはこれまで見たことがありません。ただ、たまに死んで白っぽく変色したダンゴムシを咥えて運んでいるところを見たことはありました。
ところが、B200603-034の引越を観察している時、B200603-034の働きアリの1匹が、ダンゴムシに咬みつこうとしているところをたまたま目にしました。

ダンゴムシは攻撃を受けて丸まった 4月30日10時5分撮影
4月30日10時5分撮影

B200603-034の引越が始まっていた(4月30日)

4月29日は、「雨時々曇」であったため、移植後の様子を観察していなかったのですが、30日に見ると、既に引越が始まっていました。
3箇所で巣作りが行われていました。

最も近くの場所 巣箱直下の岩の継ぎ目を利用(「直下巣」と命名)
直下巣 既にたくさんの土が運び出されていた 9時7分撮影
西方に向かう働きアリ 9時11分撮影
花壇ブロックを下って行く
花壇ブロックの下方に巣穴が造られていた
更に西方の少し上方も掘られていた
西方の全景 南側から撮影 (「西方巣」と命名)
西方巣は、写真奥にある 北側からの撮影

巣作り中の3巣目は、巣箱の東方にありました。

南側から撮影 手前が東方 巣箱は花壇の少し奥まったところ
散水ホースを行き来しているクロオオアリ 9時19分撮影
コンクリートブロックに沿うように巣作りが始まっていた
上記写真の左下を拡大 (「東方巣」と命名)

実はこの場所は、N巣がある場所です。争いが起こるのではないかと思ったものの、そのような場面はありませんでした。
移植時の引越では、複数の箇所で巣作りが始まることについては、既に「BM19003を移植 引越先が分裂?」や「B15099を移植 4日目 ほぼ引越完了」「B14034+133の引越先」などで観察しています。
クロオオアリは、自然界では営巣途中で巣を引っ越すことはないと考えられますので、人為的な「移植」では、新たに巣を作り始める前に引越先を統一する能力は備わっていないのでしょう。

まだ、引越はこれからのようでした。

幼虫が多数見える 9時37分撮影
働きアリも多い 9時37分撮影

10時ごろからは、幼虫を運ぶ働きアリを多数見るようになりました。

西方へと進む 10時1分撮影
巣箱の東側から西方へと進んで行った 10時7分撮影
花壇ブロックを下りて行く 10時19分撮影
巣穴に運び込む直前 10時20分撮影
巣穴に運び込む 10時28分撮影
巣穴に運び込む 10時29分撮影

引越先が「西方巣」に統一されたのでしょうか。
夕刻、人工巣の中を見て確かめることにしました。人工巣の中は、働きアリも幼生虫も少なくなってはいましたが、そこにはまだ女王アリが残っていました。

全周1 17時27分撮影
全周2 17時27分撮影
全周3 7時27分撮影
全周4 右下に女王アリが見える 17時28分撮影
女王アリ 17時29分撮影

B200603-034を移植(4月28日)

久しぶりに、飼育下のクロオオアリのコロニーを庭に移植することにしました。

移植するコロニー B200603-034 4月28日撮影

B200623-034は、2020年の6月3日に駒ケ根市内で新女王アリを採集したコロニーです。かなり良く繁栄しています。

全周1
全周2
全周3
全周4

4月28日、B200623-034を西洋ミツバチの巣箱の中に入れ、開放蓋を外し、小型水槽から外へアクセスし易いように板を入れました。

右に置いているのが開放蓋 4月28日13時9分撮影
移植した環境 巣箱には蓋をしている
早速働きアリが巣箱から出てきていた 13時23分撮影

夜遅く見に行くと、かなりの数の働きアリが巣箱の周辺の地面を歩いていました。

21時23分撮影
21時24分撮影

T20220910-67が今年も産卵 昨年は孵化せず

トゲアリの寄生の試み 5のT20220910-67が産卵していました。
ほぼ2週間前の4月10日の観察の際には、トゲアリの越冬幼虫はいませんでした。ただ、女王アリの腹部がかなり膨らんでいました。

女王アリの腹部はかなり膨らんでいる トゲアリの成虫も幼生虫もいない 4月10日撮影
卵が3個程ある 4月25日撮影

T20220910-67は、昨年も産卵をしていましたが、その卵が9月になっても孵化していませんでした。
今年は孵化して成虫になるでしょうか。

追試 B120614-03の産卵

4月9日のブログで、B120614-03の様子を取り上げています。

4月9日撮影

その時には、越冬幼虫はいませんでした。
4月25日、卵を産んでいました。

4月25日撮影

このコロニーについては、今年の1月21日に、(以上のことから「B120614-03は産卵能力は残っているものの、有精卵を産む能力はなくなっている」と結論づけてもよいのではないかと思います)と結んでいます。今回は、その追試となります。

C巣の巣口発見

4月25日の朝方、自宅で飼っている西洋ミツバチが分蜂して、庭のプラム大石早生に蜂球を作っていました。

西洋ミツバチの蜂球 4月25日8時58分撮影

その蜂球を見ている時に、偶然にも小さな塊が落下するところを見ました。その時は、ただの蜂球の一部が落下したと思っていたのですが、10時半過ぎに、落下したと思われる場所に女王バチがいるのを見つけました。その女王バチは、働きバチに取り囲まれていました。この時、既に蜂球はなくなっていました。

蜂球がなくなっていた 10時33分撮影
中央が女王バチ 10時38分撮影

しばらくして見に行くと、女王バチは死んでいました。女王バチは殺されたのでしょう。ミツバチは、分蜂直後に蜂球を作ってから営巣する場所を探すため、ミツバチの群れが飛び立つにはそれなりの時間が必要です。今回は蜂球がとても早くなくなったのは、女王バチに何らかの欠陥があったため、働きバチたちが蜂球の中から女王バチを排除したからなのでしょう。

11時19分撮影

女王バチが殺されていた場所には、既に複数のクロオオアリが来ていました。そして、そのすぐ近くに巣口があるのが分かりました。このコロニーはC巣(自然巣)のようです。今年になって、初めてC巣の巣口を発見することができました。

C巣の巣口は、写真内右 11時24分撮影

人工巣から出てこない

今になっても、ほとんど人工巣から出てこないコロニーがあります。クロオオアリのコロニーBH210523-60(結婚飛行を終えた新女王アリを2021年5月23日採集)です。

人工巣を小型水槽に入れている 人工巣から働きアリが出ていない 4月21日16時7分撮影

越冬幼虫が全く育っていません。干からびて死んでいるように見えます。

越冬幼虫の様子 16時7分撮影

人工巣アンテシェルフの最下段両側のアクリルパイプの穴は開いてはいますが、砂で詰めた痕が見られます。

女王アリは健在のようですが、女王アリがいる同じ最下段の部屋には、かなりの数の働きアリの死骸があります。

重なっているのは多くは死体だ

活動室の中で活発に動いていた有翅女王アリ

4月13日、この日は、岡山市で今年初めて最高気温が18℃を越えました(18.1℃)。アリの飼育部屋は、西日の影響を受けやすく、午後5時半過ぎには室温が27.9℃に達していました。

B15006(クロオオアリのコロニー)の活動室(アンテグラウンドⅠ型)の中を見ると、昨年生まれの有翅女王アリが2匹、活発に動き回っていました。今にも、結婚飛行に飛び立つかのようでした。

4月13日17時37分撮影
4月13日17時37分撮影

こんなことは、今年になって初めてのことでした。

一時的社会寄生のトゲアリ5例の様子(2024年4月10日)

この寄生トゲアリの5例の様子は、前回は今年の1月15日に取り上げています。この5例は、何れも2022年の9月に寄生を始めたコロニーです。

トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )

ここでも昆虫を分解しているのはトゲアリだ 4月10日撮影
越冬幼虫が多数育ちつつある 女王アリの頭部が写っている 4月10日撮影

トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )

クロオオアリはまだ多数いるが、トゲアリの成虫も越冬幼虫もいない 4月10日撮影
女王アリの腹部は膨らんでいる 4月10日撮影

トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )

育ち始めている越冬幼虫が見られる 4月10日撮影
女王アリも健在だ 4月10日撮影

トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )

クロオオアリの数は少なめだ トゲアリの成虫も越冬幼虫もいない 4月10日撮影
女王アリの腹部はかなり膨らんでいる

宿主のクロオオアリはまだ生存しています。何れも2022年の9月に寄生されたクロオオアリのコロニーですから、今生存しているクロオオアリは遅生まれで2022年生まれか(寄生の試みの全て)、越冬して2023年生まれか(寄生の試みの3と4)になります。

トゲアリの3コロニーの越冬明けの越冬幼虫の様子

現在飼育しているトゲアリのコロニーは8コロニーありますが、その内の3コロニーの越冬幼虫の様子を記録しておきます。
この3コロニーの今年1月末の様子については、こちらをご覧ください。

1)T140906-402014年9月11日 B-NESTCON01024(2012/06/14採集)に進入)

人工巣の部分 4月10日撮影
活動室アンテグラウンドⅡ型 4月10日撮影
働きアリが多いため越冬幼虫の様子は僅かしか観察できないが、かなり育っているようだ 4月10日撮影
昨年参照

2)T1809192018年9月22日 B15002(2015/05/15採集)に進入)

かなり育っている越冬幼虫が多く見られる 4月10日撮影

3)T210912-022021年9月16日 BK170530-040(2017年5月30日採集)に進入)

右が人工巣 左が活動室アンテグラウンドⅢ型
かなり多くの数の越冬幼虫 育ちつつあるようだ 4月10日撮影

毎年の春先のことですが、飼育下では、トゲアリの方がクロオオアリよりも早くから活動を始めています。同時期のクロオオアリの越冬幼虫と比べると、トゲアリの越冬幼虫の方が早くから成長を始めていたことがわかりますが、これは、トゲアリの方が活動を始める時期が早いことによるのでしょう。

クロオオアリ8コロニーの越冬幼虫の様子(4月9日)

現在飼育しているクロオオアリのコロニーの中から、8コロニーを取り上げて、越冬幼虫の様子を記録しておきます。

1)B15006(2015年採集)
現在飼育しているクロオオアリのコロニーの中では、一番大きなコロニーです。

17段アンテシェルフの人工巣
活動室アンテグラウンドⅠ型の様子
越冬幼虫は成長を始めているがまだ小さい 4月9日撮影

2)BH18024(2018年採集)

かなり大きく育った越冬幼虫がいる 4月9日撮影

3)2020年採集の3コロニー
⑴ B200603-034

大きく育った越冬幼虫が僅かに見られた 4月9日撮影

⑵ B200603-067

越冬幼虫は育ち始めているが、まだ小さいようだ 4月9日撮影

⑶ B200603-075

越冬幼虫は育ち始めているが、まだ小さいようだ 4月9日撮影

4)2021年採集の3コロニー
⑴ BH210523-30

越冬幼虫の数は少ないが、大きく育った幼虫がかなり目立つ 4月9日撮影 

⑵ BH210523-32

越冬幼虫はまだ成長が始まっていないようにも見える 4月9日

⑶ BH210523-37

前掲のBH210523-32とほぼ同じ環境だが、こちらの越冬幼虫は成長を始めている 4月9日撮影

2011年・12年採集の4コロニーの様子

2011年と2012年に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーがそれぞれ2コロニーずつ生存しています。これら、4コロニーについての現状を記録しておきます。

1)B110608-06(2011年6月8日に長野県の駒ヶ根市内で採集

コロニーの規模は小さい 2024年4月9日撮影
女王アリは生きている 越冬幼虫はいない 2024年4月9日撮影

過去のブログより

卵が多数見られる 2023年6月8日撮影
働きアリの個体数は多くはない 2023年6月8日撮影
越冬幼虫は極く僅か 2023年1月11日撮影

2)B110608-07(2011年6月8日に長野県の駒ヶ根市内で採集

女王アリは2023年4月6日に死亡を確認 2024年4月9日撮影
雄アリが2匹いた 2024年4月9日
越冬幼虫は2匹いた 2024年4月9日撮影

過去のブログより

幼生虫 2023年4月6日撮影
幼生虫 2023年4月6日撮影
幼生虫 2023年4月6日撮影
越冬幼虫が多数見られる 2023年1月11日撮影

3)B120614-03(2012年6月14日に長野県の駒ヶ根市内で採集
この再生コロニーについては「11歳女王アリのコロニーを再生」を参照
過去の様子は、直近のブログ(「10年目の再生コロニー」で無精卵産卵)を参照

雄アリが多い 越冬幼虫はいない 2024年4月9日撮影
2024年4月9日撮影

4)B120614-86(2012年6月14日に長野県の駒ヶ根市内で採集
この女王アリは、2023年1月8日に死亡を確認しています。2022年に死亡したと考えられます。

越冬幼虫は見当たらない 2024年4月9日撮影

過去のブログ(「採集から11年目のコロニー2つ」を参照)

越冬幼虫と思われるが成長していない ただ越冬幼虫は「極く僅か」であったはず 2023年6月14日撮影
上の写真の一つ上の段 卵もある 2023年6月14日撮影

新たにN巣・J巣・T巣の生存を確認

昨年の秋、庭のクロオオアリのコロニーの内、生存が確認できていたのは、6巣でした。

10月15日L 巣 B16013(2019 年 6 月 8 日移植 18 日定住発見)
   同上:新たに発見したネクタリンの木の近くの巣(C巣自然巣かも知れない:2016 年 4 月 11 日発見)
10月25日A巣自然巣(2016 年 4 月 13 日発見)
11月02日N巣B16015(2019年6月19日移植 29日引越定住)
   同上:J巣自然巣(2018年5月21日発見)
   同上:T巣BK170530-133+BH170521-023(2020年9月27日移植 10月26日引越定住)

今年になって生存が確認できたのは、A巣・C巣・O巣B15099(2019 年 8 月 23 日移植)です。
4月7日、新たにN巣・J巣・T巣の生存を確認しました。

N巣

花壇のコンクリートブロックに蜜を垂らした 4月7日14時14分撮影
昨年のN巣の巣口の近くにいたクロオオアリにも蜜を与えた 14時16分撮影
先程、花壇のコンクリートブロックで蜜を飲んでいたアリが帰路に 14時23分撮影
巣口はここらしい 14時25分撮影
他のクロオオアリも同じ場所に潜って行った 14時27分撮影
シリンジの針先に巣口がある

J巣
測量杭の上端に大型のクロオオアリが1匹登ってきていました。そこで蜜を与えました。帰路を追うと、禅寺丸(柿)に近い芝地の中で姿を消しました。
測量杭の上部に蜜器を被せ、蜜を入れておきました。

ここは禅寺丸に近い場所 4月7日16時0分撮影
左が蜜を与えた測量杭 右に禅寺丸の主幹が見える 巣口はシリンジの針先にある
同じ個体の大型のクロオオアリが3回目にやって来たところ 16時10分撮影

それから50分程すると、仲間がやって来ていました。蜜器に2匹、帰路中が1匹、少なくとも3匹が来ていたことになります。

蜜器には2匹 1匹はあの大型のクロオオアリのようだ 17時5分撮影
蜜を飲んでの帰路中のクロオオアリ 17時5分撮影

T巣
コンクリート階段の下の踊り場で、複数のクロオオアリが歩いているのに気づきました。そこで、蜜を垂らし帰路を追いました。

蜜を吸うクロオオアリ 4月7日16時39分撮影
蜜を吸って帰巣するクロオオアリ 16時41分撮影
蜜を吸って帰巣する別のクロオオアリ 16時43分撮影
簡易な蜜器を置いた 16時46分撮影
シリンジの針先に巣口がある 16時51分撮影

蛇足になりますが、T巣のクロオオアリは、踊り場横の2本のブルーベリーに行っていたようです。

2品種のハイブッシュ系のブルーベリー
16時54分撮影
別のクロオオアリ 16時57分撮影
こんな昆虫も来ていた クロオオアリにも何か食べられるものがあるのだろうか? 16時58分撮影

C巣が同一のコロニーであるかどうかは確かめられてはいませんが、仮にどちらもC巣だとすれば、今年になってまだ生存が確認できていないコロニーはL巣だけになります。

ミツバチの死骸が越冬明けのタンパク源に

3月30日に本格的に活動を始めた庭のクロオオアリの内、A巣の辺りを見に行くと、何やら昆虫らしいものを運んでいる大型のクロオオアリがいました。よく見るとミツバチの死骸でした。

大型のクロオオアリがミツバチの死骸を運んでいた 4月4日15時0分

他にもミツバチの死骸を運んでいるクロオオアリがいて、そのクロオオアリは途中で死骸を置いてその横で休憩を取っていました。

手前の小柄なクロオオアリは休憩中 右横にミツバチの死骸を置いている 15時6分撮影

更に死骸を運ぶ3匹目のクロオオアリを見つけました。この死骸もミツバチなのでしょう。

3匹目の死骸を運ぶクロオオアリ 15時7分撮影

この3匹目のクロオオアリの後を追ってみると、3月30日に見つけた巣口とは違って、そのすぐ西にある穴から地中へと入って行きました。

巣口に入る直前のクロオオアリ 15時8分撮影

間もなくして、最初に見つけたクロオオアリも同じ巣口へと入って行きました。

巣口近くまで戻ってきた大型のクロオオアリ 15時9分撮影

これらのミツバチの死骸は、ミツバチの巣箱の下に落ちている死骸のようです。これらは、ミツバチヘギイタダニというダニによって死んだミツバチや、越冬を終えて寿命で死んだミツバチです。

ミツバチの巣箱の近くで 15時12分撮影
ミツバチの巣箱の下 たくさんのミツバチの死骸がある 15時13分撮影
左に写っているのがミツバチの巣箱 前面に巣門があり、その下に死骸が落ちている 15時15分撮影

この時期、餌になる昆虫などのタンパク源は少ないと思いますが、図らずもミツバチの死骸が、クロオオアリにとっての越冬明けの貴重なタンパク源になっているようです。

早くもサンタローザと露茜にアブラムシがいた

庭のプラムサンタローザの木にクロオオアリが来ていたことについては、3月30日のブログに書きましたが、昨年もサンタローザの木にクロオオアリが来ているのを3月20日に観察していました。
今日4月2日、サンタローザの木を見ていると、一箇所だけでしたがアブラムシの群生を見つけました。

4月2日14時48分撮影

また、別の場所で、1匹だけで葉に付いているアブラムシを見つけました。

14時52分撮影

今日もクロオオアリが来ていました。

14時52分撮影

それから1時間ほど経って、再びサンタローザの木を見ると、先程のアブラムシがいた場所にクロオオアリが来ていました。

15時56分撮影

ちなみに、梅露茜は、既に開花を終え、葉が出てきていますが、ここにもアブラムシが1箇所付いていました。

アブラムシの幼虫も見られる 14時55分撮影

B110608-11の13年間弱の歩み

4月1日、B110608-11が働きアリを1匹残して死滅していました。

死滅したB110608-11
1匹だけが生きていた

B110608-11は、新女王アリを2011年6月8日に駒ケ根市で採集したクロオオアリのコロニーです。コロニーの創巣から12年9ヶ月もの間、存続し続けたことになります。
ここで、このコロニーについて分かっていることを振り返ってみます。

2011年6月8日 「オオアリを採集」からの引用
昨年の6月8日に、長野県駒ヶ根市の菅の台辺りで、クロオオアリの女王アリを採集しました。そこで、今年も同じ日に出かけました。
ほぼ同じ場所を探しましたが、ムネアカオオアリの女王アリを2匹見かけただけで、目当てのクロオオアリの女王アリは見つけることができませんでした。
そこで、家族旅行村アルプスの丘に出かけました。幸運にも道沿いにこれから結婚飛行(交尾)に出かけようとしているたくさんのクロオオアリの巣を見つけることができました。

巣から出てきた女王アリと雄アリ(女王アリの斜め右下) 6月8日16時2分撮影

やがて、コンクリートを敷き詰めているかなり広い場所のあちこちに、翅を落とした女王アリが歩いているのを見つけました。午後4時ごろのことでした。

2016年6月22日の記録
既に5年経過していますが、この時、働きアリは35匹で、繭・幼虫・卵がありました。

2017年7月 それまではカップ型コンクリート人工巣で飼育していましたが、グッピー水槽に移しました。

2021年6月8日 「おめでとう! 結婚10年記念日」からの引用
このコロニーも小規模ですが、子育てをしています。

S/N:B110608-11(旧名称 NESTCON01011) 6月8日撮影
同上 6月8日撮影
同上 女王アリの姿が見える 6月8日撮影
同上 子育ての様子 卵も見える 6月8日撮影

2022年6月8日 「おめでとう! 結婚11年記念日」からの引用

小規模なコロニーです。ここには写っていませんが、幼生虫が僅かにいます。

2023年1月11日 「生き続ける2011年採集の女王アリ」からの引用

B110608-11 1月11日撮影
越冬幼虫は見当たらない
B110608-11の女王アリ

2023年6月8日 「12回目の結婚記念日」からの引用

6月8日撮影
女王アリは生きている
巣内の全体の様子

1月11日にも越冬幼虫はいませんでしたが、今回も幼生虫はいませんでした。この女王アリは昨年から産卵能力を失っているようです。

2023年9月7日 「2010年生まれのクロオオアリの女王アリの死 13才」からの引用
9月7日、クロオオアリの女王アリB110608-11が死亡していました。死亡して何日か経っているようでした。

左が胸部、右が腹部 9月7日撮影

B110608-11は、2011年に結婚飛行を了えた女王アリです。6月8日に長野県の駒ヶ根市内で採集しています。この女王アリは昨年から産卵能力を失っていました。
2010年の7月頃に羽化したと考えられますので、13年以上生きていたことになります。私の飼育下で、最も長生きをしたクロオオアリの女王アリになります。

まとめは以上となります。13年間の長きに渡って、貴重なデータを提供し続けたB110608-11に、昆虫とは言え、感謝しなければと思います。