B120614-03は、女王アリの寿命を調べる目的でコロニーを再生したクロオオアリの女王アリです。
4月25日のブログで、その様子に触れています。
今日6月2日の様子は次のようです。
4月25日からだけでも5週間以上経っていますが、まだ孵化していません。ただ、卵の数は増えているようにも見えます。
卵はこれから先、孵化するでしょうか。また、これらの卵はやはり無精卵なのでしょうか。
働きアリ産卵と思われる事例は、既に2023年6月14日のブログ〈B120614-86(2012年6月14日に長野県の駒ヶ根市内で採集)〉で取り上げています。
このコロニーの女王アリは、2023年1月8日に死亡を確認しています。このコロニーは、今年の4月9日には越冬幼虫は見当たりませんでした。
ところが、6月2日には既に卵が多数ありました。
働きアリ産卵の2例目としては、B110608-07が挙げられます。このコロニーの女王アリは、2023年4月6日に死亡を確認しています。
今年の4月9日の記録では、幼生虫としては越冬幼虫が2匹いました。ところが、6月2日には既に卵が多数ありました。
以上の2つの事例から、「女王アリを失ったクロオオアリのコロニーでは、働きアリが産卵する」と言えます。ただし、条件を付記するとすれば、「営巣から10年を越えている終端期のコロニーの場合」だということになります。
2022年の9月に寄生を始めた一時的社会寄生のトゲアリ5例の様子は、前回は4月10日に取り上げています。
今回は、4月の様子と比べながら6月2日の様子を記録しておきます。
トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )
4月10日には越冬幼虫がかなりいたのですが、今回は2匹しかいませんでした。この時期、越冬幼虫は蛹だと思われますので、他の越冬幼虫は死んだのではないかと思います。
卵が多数ありました。
トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )
越冬幼虫が順調に育ったように見えます。コロニーの本体が、コンクリート巣の上面に移動していました。
トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )
4月10日の記録では、越冬幼虫がいないとされていますが、実際は最低2匹はいたのでしょう。
トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )
トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )
以上の5例を比較すると、2例目のT20220910-54が一番よく繁栄していることが分かります。次に繁栄しているのは4例目のT20220910-44です。