この日は朝から大変良い天気でしたので、少し期待して採集に出かけました。
案の定、午前11時40分頃から午後1時10分ごろにかけて45匹のトゲアリの女王アリを見つけ、44匹を持ち帰りました。(44匹の内43匹は怪我がありません。残り1匹は、右の前肢が不自由です。)
ところで、11時50分ごろ、いつもよく女王アリを見つける溝の辺りで、クロオオアリが群がっているのが目に入りました。
よく見るとトゲアリの女王アリがいます。クロオオアリたちに捕まったようです。クロオオアリに囲まれているところは、始めてみましたので、運悪く捕まったのか、と思いました。……が、この後、まもなくしてわかったのですが、ここにクロオオアリ巣口があったのです。
どうやら、このトゲアリの女王アリは、このクロオオアリの巣に侵入しようとして捕まっているようです。これまでに出会ったことがない貴重な機会となりました。この後、このトゲアリがどうなったかは、うまく観察できませんでした。
さて、このクロオオアリの巣に、今採集したばかりの別のトゲアリの女王アリを侵入させてみましょう。
3例で侵入を試みさせましたが、2例はクロオオアリの巣口を恐れるように慌てて逃げていきました。ただ1例は、何の迷いもないかのように、あっという間に巣穴に入っていきました。あまりにも速かったので、巣口から侵入する瞬間を写真に撮ることができませんでした。巣口にはクロオオアリの働きアリがいたのですが、侵入を巣口で防げなかったようです。
この日、トゲアリの女王アリを45匹見つけて1匹少ない44匹を持ち帰ったのは、そういうわけです。