共存の試み5ケース

BH240518-19は、昨年の5月18日に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーですが、昨年の8月24日には既に女王アリが死んでいました。

BH240518-19 既に女王アリはいない 2025年5月9日13時46分撮影

BH210523-60は、2021年5月23日に新女王アリを採集したクロオオアリの女王アリです。小規模のコロニーを形成していましたが、今年の5月9日には既に働きアリが全滅していました。女王アリは生きてはいたのですが、かなり弱っていました。
この女王アリをBH240518-19の中に入れ、共存を試みました。

BH240518-19の働きアリから攻撃されている 5月9日13時49分撮影

BH210523-60はかなり弱っていましたので、BH240518-19の働きアリから攻撃されても反撃ができずにいました。
この状況下で、働きアリが3匹のみ生き残っているBH240518-01のコロニー(BH240518-19と同様に昨年の5月18日に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニー、昨年の7月30日には既に女王アリが死んでいた)を追加合併しました。

追加合併直前のBH240518-01のコロニー 働きアリが3匹のみ生き残っている 13時50分撮影

更に15時過ぎに、昨年の5月18日に採集した新女王アリのBH240518-54(働きアリ・幼生虫がいない)を合併コロニーの中に入れました。

合併直前のBH240518-54 5月9日15時9分撮影

BH240518-54は、働きアリからの攻撃を交わし、働きアリを殺しはしませんでした。
17時前には、始めに投入した女王アリBH210523-60が死んでいました。

死んだBH210523-60 16時54分撮影

そして今度は、ムネアカオオアリの単独女王アリRH240518をこの合併コロニーの中に入れました。この女王アリは、卵を産んでいました。合併すると、卵はクロオオアリの働きアリに受け入れられたように見えましたが、5月15日には、卵は無くなっていました。
ムネアカオオアリの女王アリは、クロオオアリの働きアリから絶えず攻撃を受け、応戦してムネアカオオアリの女王アリは、クロオオアリの働きアリを3匹ほど殺しました。しばらくは様子見をしていたわけですが、戦いが収まりそうもなかったので、ムネアカオオアリの女王アリを取り出しました。

ムネアカオオアリRH240518 卵を産んでいる 5月9日16時56分撮影
卵は受け入れられたように見えた 16時58分撮影

この後、最後の合併を行いました。今度も女王アリがいないBH240518-21(女王アリの死亡日の記録なし)のコロニーを合併させました。

合併前のBH240518-21
BH240518-21の簡易飼育器を逆さにして重ねた 3箇所の穴で上下の飼育器が繋がっている 17時33分撮影

2日後のほぼ同時刻、上の簡易飼育器(クリアーケースミニ)にいた働きアリは、下の飼育器に移動していました。

5月11日17時26分撮影
クロオオアリの女王アリが見える 5月11日17時27分撮影

2番目に投入したクロオオアリの女王アリBH240518-54は、この合併コロニーに馴染んでいました。

以上の共存の試みから次のことが言えそうです。

1)2年目の同世代(コロニー創設期の最初に羽化した働きアリ)の働きアリ同士は、共存できる。
2)コロニー創設の翌年のクロオオアリの働きアリと、同期のクロオオアリの女王アリは共存できるが、女王アリが働きアリからの攻撃を交わすことができることが共存の条件となる。
3)2年目の同世代であっても、ムネアカオオアリの女王アリとクロオオアリの働きアリとでは、共存できない。ムネアカオオアリの卵は、クロオオアリには受け入れられない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください