下の写真を見てください。どんなことに気づきますか。
この家族は、昨年から巣作りを始めた女王アリと働きアリ2匹の小さな家族です。未だに働きアリは2匹で、今は小さな幼虫が5匹ほどいます。
この女王アリには、なかなか成虫の働きアリが生まれませんでした。かなり遅くなって、やっと1匹の働きアリが生まれただけでした。それから、更に1匹だけ働きアリが生まれて、現在に至っています。子育てとしては、かろうじてセーフになったわけで、ほんの少し何らかの要因があれば、働きアリが一匹も生まれずに、女王アリは死んでしまったことでしょう。
ところで、この2匹の働きアリは、大きさがずいぶん違っています。1年目、最初に生まれてくる働きアリの大きさと同じなのは、小さい方です。それに較べて大きい方の働きアリは、次の世代に生まれてくる働きアリの大きさです。
そこで質問ですが、この2匹の内、どちらが最初に生まれてきたのでしょうか。
当然、小さな方ですね。
ですが、正解は、大きな働きアリの方でした。
この女王アリは、最初の時期の子育てにあれこれと失敗する中で、まず1匹だけを育て上げたのです。その際、通常よりもたくさんの栄養をこの1匹に与え、その結果、大きな働きアリとなって生まれてきたと考えられます。そして、この働きアリが生まれてきたので、女王アリは死ななくてすんだのです。
この大きな働きアリも、もう成虫になって1年になります。他の家族とともに、いつまでも長生きしてほしいものです。