「ありの行列」を考えるブログシリーズの仮説
⑴最初に餌を見つけたクロオオアリは、帰路道しるべを付けずに巣に戻る。
⑵⑴のクロオオアリは、仲間を連れて餌場へ向かう。その際、道しるべを付けながら進み、その匂いを追いながら、仲間がついてくる。
⑶その帰りも、いずれのクロオオアリも道しるべは付けずに帰巣し、その後餌場へ向かう際、新たな仲間を引き連れて出かける際には、道しるべを付けながら進み、その匂いを追いながら、新たな仲間がついてくる。
今回のブログでは、上記仮説の⑴⑵に言及します。
昨年から、花壇の横に設置していた測量杭に、昨日蜜器を載せておきました。昨日はそこへクロオオアリは来ませんでしたが、今日の9時45分ごろ、1匹のクロオオアリが蜜を吸っていました。大きさは少し小さめで、「移植」に成功したシリアル番号SIMSMA01057の巣の働きアリのように思えました。確言はできないのですが、このアリは今初めて蜜場を見つけたのでしょう。
帰路を追ってみると、あまり迷わずに進み(道しるべは付けていない様子)、SIMSMA01057の巣の中に入っていきました。少し長めに時間が経過して、先ほどのクロオオアリらしいアリが巣口から出てきました。とても鈍く遅い歩きです。それでも、よく見るとレンガに道しるべを付けているようです。
しばらくはこの1匹だけでしたが、気づくと後から2匹が追ってきて、やがて追いつきました。
この後ですが、先頭のアリは芝地へと入っていきました。初めは、先頭のアリに1匹は付いていっていました。
しかし、しばらくすると、付いていっていたこの1匹のアリも先頭からはぐれ、結局、先頭のアリが1匹だけになりました。
ここで、先頭のアリの足跡を見ると、餌を見つけた後の帰路とはとても大きく逸脱しています。上の写真のように、レンガから最大で50cm程離れて歩いていますが、もともと帰路では、レンガから外れても、ほぼレンガ近くの芝地を歩いていました。帰路と往路とは全く異なる道です。
やがて右往左往しながらも、随所で芝の葉に道しるべを付けながら、総じて蜜器のある方向へと歩いて、境界杭の麓にたどり着きました。
その帰りは、往路のように迷うことなく、大体レンガに沿って、わずかに2分程度で巣へと戻っていきました。道しるべを付ける際のダンス(「一瞬立ち止まって腹部を曲げる」をリズミカルに繰り返す)はしませんでした。