トゲアリは、コロニーの創設にあたり、他種のコロニーに一時的に社会寄生しますが、昨日のブログ「目から鱗のトゲアリの寄生」では、直接、親元のコロニーではない同種(トゲアリ)のコロニーに社会寄生していました。トゲアリのこのような寄生については、全く新たな寄生の仕方ですので、この寄生の仕方について新たに言葉を作ると便利です。そこで、この寄生のことを「直短的社会寄生」(略称は「直短寄生」)と呼ぶことにします。
「直短的社会寄生」(「直短寄生」)の定義
新女王アリが、本来は異種のアリのコロニーに一時的に寄生して、やがて完全に自己のコロニーを形成するのに対して、最初から同種のアリのコロニーの成員(そのコロニーに女王アリがいたかいなかったかに関わらず)に直に寄生すること。
9月17日、近くにある塚山公園へ行きました。昨年からトゲアリが棲息していることが分かっている辺りに行ってみると、案の定、トゲアリの働きアリが樹の幹を上下していました。
合せて55匹を採集しました。
昨日、トゲアリの女王アリを提供して下さった方からは、詳しく寄生の仕方を教えていただいていました。
夕刻寄生を試みました。昨日送っていただいた寄生済を除く2匹のトゲアリの女王アリの内、1匹(怪我を負っていた)が死亡していましたので、最後の1匹を寄生主としました。
先ず働きアリを1匹だけ収集器から取り出し、女王アリと一緒にしました。暫くしてその働きアリを捕らえ、化粧を始めました。
この化粧の行為は、オオアリと一緒にした場合と同様でした。やがて、働きアリを2匹目、3匹目、……5匹目と加え、最終的には12匹まで加えました。直短寄生は順調に成功しました。
そこで、私が9月11日に採集したトゲアリの女王アリ2匹も寄生させることにしました。
2匹共に寄生に成功したようです。