クロオオアリとムネアカオオアリは、幼虫と共に冬越しをします。このことは人工巣での観察で以前からわかっていたことですが、他の種も含めて冬越しの様子を記録しておきます。
上の2つの写真に写っているのは、2011年の6月に長野県で採集した新女王アリのコロニーです。かなりの大家族になっていて、人工巣アンテシェルフ2個を連結して飼育しています。幼生虫は幼虫のみで、しかもかなり小さいことが分かります。
2015年11月4日に、自宅の庭の小型の電柱についていた配電盤の中から採集した仮称「ミシマアリ」(S/N:F151104)は、その後コロニーが大きくなっています。
この「ミシマアリ」の場合も、幼生虫の内、幼虫のみが越冬していることが分かります。
下の写真は、2015年5月2日に、ブドウの枯れた幹の中にいたところを採集したシリアゲアリのコロニー(S/N:S150502)です。
大家族になった時期もありましたが、飼育器に小さなすき間ができた時に、出ていって戻らなかったアリもいて、今年の冬はさほど大きなコロニーではありません。越冬している幼生虫は少なく、幼虫のみです。
既に分かっているムネアカオオアリも含めれば、これら4種のアリでは、越冬する幼生虫は幼虫のみのようです。
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