「移植」については、今年も行っていますが、これとは別に、先日の3月25日に、花壇の片隅で、ある変容を目にしました。
これは、アリが巣を拡張して運び出した土の粒のようです。白いものはここに移植したクロオオアリのコロニーのシリアルナンバーを書いた名札です。このコロニーは、NESTCON02005 (2013/06/17採集)で、2016年の4月12日に移植しました。詳しくは、「蟻を庭に放つ その1」をご覧下さい。その後、この花壇内には2つのクロオオアリのコロニーが棲息していました(「庭にクロオオアリが定住」2016年10月8日、「『移植』組が出てきた」2017年4月2日)。今年は、3年目の春を迎えたことになります。
ただ、この巣の主の姿が見つけられませんでした。巣口を絶えず出入りしていないところから、クロヤマアリの巣ではないようには思いましたが、クロオオアリの巣だとは断定できませんでした。
それから、機会ある毎に、この巣を見ていましたが、巣口から出入りするアリの姿を見ることはありませんでした。ただ、それからも巣穴から土の粒を運び出していたようで、粒の数が増えていました。
こうして、この巣の主が断定できないまま9日が経って、4月3日、巣口から70cm程離れた場所に設置している蜜器に1匹のクロオオアリがいました。
この蜜器には、3月25日に蜜を入れておきましたが、この間クロオオアリの姿はなく、この日初めて姿を見ました。蜜は既に水分が蒸発して固形化していましたので、容器の片隅に、その上から蜜を加えました。
このクロオオアリが、例の巣口に戻っていけば、NESTCON02005の巣であることがわかります。案の定、例の巣穴へと入っていきました。
その1分後には、別のクロオオアリが蜜器にいました。
このクロオオアリも、NESTCON02005の巣へとはいっていきました。
更にその1分後、今度は花壇に植えてあるキイチゴの葉の上にもクロオオアリがいました。
既に複数のクロオオアリが、巣の周辺に出ていたようです。
蜜を見つけたクロオオアリが仲間を連れて蜜器へと向かうところを観察しようと思いましたが、複数のクロオオアリがいずれも単独行動を取っていました。巣から出て蜜器へと向かう際に、後をつけて歩く仲間はいませんでしたし、道しるべを付けてはいませんでした。これまでの経験から言うと、蜜を見つけた際に、こうした単独行動を取るクロオオアリのコロニーは、小さい規模でした。NESTCON02005のコロニーも、小さいのかも知れません。