「ありの行列」を考えるブログシリーズの仮説
⑴最初に餌を見つけたクロオオアリは、帰路道しるべを付けずに巣に戻る。
⑵⑴のクロオオアリは、仲間を連れて餌場へ向かう。その際、道しるべを付けながら進み、その匂いを追いながら、仲間がついてくる。
⑶その帰りも、いずれのクロオオアリも道しるべは付けずに帰巣し、その後餌場へ向かう際、新たな仲間を引き連れて出かける際には、道しるべを付けながら進み、その匂いを追いながら、新たな仲間がついてくる。
今回のブログでは、上記仮説の⑴⑵に言及します。
まず、今回のフィールドについて、下の写真をご覧下さい。
今年の4月4日のブログ「2018 移植の試み」の2日後の6日、移植した箇所に何箇所か蜜器を設置しておきました。それから、ほぼ毎日、移植したクロオオアリが、この蜜を吸いに来ているか見ていましたが、その気配はありませんでした。ところが、今日になって、この蜜器にクロオオアリが1匹来ていました(午前8時1分ごろ)。このクロオオアリは、中型の働きアリでしたので、この度移植したコロニーの働きアリではないことが分かりました。そこで、「アリの行列」として観察することにしたのですが、このアリが帰路につくとすぐに見失ってしまいました。
ところが、間もなく、すぐ近くにある隣の、やはり移植したコロニー用に設置していた蜜器にも1匹のクロオオアリがいるのに気づきました。このクロオオアリも中型の働きアリでしたので、この度移植したコロニーの働きアリではないことが分かりました。そこで、再度「アリの行列」として観察することにしました。
行列の経路は、上の写真のようでした。詳しく辿ってみましょう。(分・秒は下の動画の時点)
動画は、1匹のクロオオアリの働きアリが、蜜を吸い終わったところから始まります(午前8時11分)。やがて、蜜器を設置している測量杭を下り、地面に下りてきます(1分29秒後)。ところが、歩く方向が定まりません。1分57秒もの間、ほぼ同じ場所を歩き回っています。やっと、イチゴ園の直下の土の坂を登り始めます(3分26秒の時点)。そして、14秒後にイチゴ園の木枠に到達し(3分40秒の時点)、登り詰めると(A地点)板の厚みに当たる面の上を素早く走り去ります。ここで、カメラはアリを見失い、イチゴ園を横切ったところで、再びこのアリを捉えます。アリは、方向を迷うことなくどんどんと芝の斜面を登って行きます。途中、木製の角杭の向こうを通ります。そして、7分0秒の時点で、芝生の中へ姿が見えなくなります。ここに巣口があるようです。動画はそれから10秒間続きますが、再びアリたちが現れる10秒前までの10分28秒間はカットしてあります。
先導するアリは、地面に腹部の先をリズミカルに付けながら歩いていきます。それを追うアリは3匹で、先頭集団のこの4匹は、途中、木製の角杭の上(横)を歩きます(9分05秒の時点 撮影開始からは+10分28秒)。それから、イチゴ園を横切るのですが、今度もカメラはアリを見失い、イチゴ園を横切ったところで、再びこのアリたちを捉えます。その時、このアリ集団は、A地点を通り過ぎて(11分38秒の時点 撮影開始からは+10分28秒)、その箇所で下へと下りては行きません。すぐ後に、カメラがアリたちを捉えた時(12分12秒の時点 撮影開始からは+10分28秒)は、もう既に、イチゴ園の木枠を通り過ぎていましたが、その場所のすぐ上(B地点)から下りてきたと思われます。しばらくは、餌場の方向へと進みますが、蜜器の近くでこの集団は迷った行動を取ります。やがて、蜜を見つけて帰路についた時の方角とは違う向きから、先導していたアリが境界杭を上り始め、他の2匹のアリも境界杭を上り始めます。それからしばらくして、先頭集団にいた4匹目のアリも境界杭に到達します。
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