ちょっとした実験をしてみましょう。
フィルムケースの中に、クロオオアリとムネアカオオアリとトゲアリの働きアリを各1匹、クロヤマアリの働きアリを2匹入れておきました。(クロヤマアリは2匹いたので、たまたま2匹です。)
どうなるでしょうか。
あちこちで噛み合いが起こるでしょうか。あるいは、あるアリが一方的に強くて、他を殺してしまうでしょうか。あるいは、お互いに避けあって喧嘩が起こらないでしょうか。あなたはどう思いますか。
既にクロオオアリとトゲアリの組み合わせでは、少し実験済です。その際は、咬みつくような喧嘩は起こりませんでした。
観察してみると、やはり咬みつくような喧嘩は起こりませんでした。お互いに避けあっているといっていいでしょう。一番体が大きかったムネアカオオアリは、他を威嚇していましたが、それでも咬みつこうとはしていません。相手を追っ払っているといった感じです。
たまたま寄せ集められた彼女らにとっては、喧嘩をするほどの利害関係はないわけですし、喧嘩のリスクを考えると、喧嘩をしないにこしたことはないのです。……と言うのは、人間の考えですが、本能的に無駄な殺生はしないようにできているのでしょう。