3月31日付の「年を越して再度の子育てに成功するか?」の中で、蜜の作り方に触れましたが、この蜜を更にバージョンアップすることを考えました。この蜜は、白砂糖と蜂蜜とメープルシロップを混ぜたものでした。それを白砂糖の代わりに黒砂糖(黒糖)にし、新たにローヤルゼリーを加えます。
黒砂糖は、白砂糖に比べビタミン類や無機質を多く含んでいます。アリが自然界で摂取する糖類により近いでしょう。また、ローヤルゼリーには、たんぱく質のもとになるアミノ酸が10数パーセント含まれています。その他にもローヤルゼリーには、ビタミン類や無機質や糖質・脂質も含まれています。
ローヤルゼリーを加えることで、蜜が糖分だけでなくたんぱく質も含むことになります。昆虫などのタンパク源を与えることは、糖分を与えることよりも手間ひまがかかりますから、もし、ローヤルゼリーに含まれるアミノ酸が蟻にも有効なら、とても助かります。
実は以前、2011年の8月10日のブログに、クロオオアリにローヤルゼリーを与えたことを書いています(「ローヤルゼリーの効用は」)。この時はローヤルゼリーを食べたのですが、すぐ後からは全く食べないようになりました。人間がローヤルゼリーを舐めてみればわかることですが、酸味があります。糖質も含まれていますが甘くは感じません。
今回作る蜜はとても甘いので、ローヤルゼリーをかなり加えても大丈夫と考えました。実際に作ってクロオオアリとムネアカオオアリに与えたのですが、もう何日もの間、好んで蜜を食べています。
ただ、ローヤルゼリーはあくまでもミツバチの生活に使われているものです。アリにとって有用なものかは対照実験をしてみないとわかりません。少し前から始めている実験では、ローヤルゼリー抜きの蜜を与えているグループと、ローヤルゼリー入りの蜜を与えているグループに分けています。これに、やがて昆虫などが与えられるようになると、ローヤルゼリー抜きの蜜を与えているグループのみに昆虫などの生き物を与えます。つまり、糖分は共通にして、主にローヤルゼリーと昆虫の違いを比べるのです。