22日に偶然発見した半無翅女王アリを23日にも見つけました。前日と同じ場所ですが、今回の場合は、蜜器を設置している測量杭の麓で見つけました(この日、蜜器に蜜を補給していました)。その麓から、前日と同じように、女王アリは迷うことなく慌てた様子でA巣へと戻って行きました。前日も今回も、偶然なのでしょうか、私が観察に訪れたちょうどその時、女王アリは巣へと戻って行くところでした。


この2度目になる23日の観察から、この半無翅女王アリは、確かにA巣の一員として暮らしていることが分かってきました。また、おそらく蜜器の蜜を吸いに来たのだろうとも推察できました。
ところで、22日のブログへのコメントで、とても貴重な示唆をいただいていました。それは、
「結婚飛行を逃した女王は、巣内で翅を取り去りワーカーとして働く事がブログ1件とアリの研究をしている方から報告されています。
これは英国の昆虫学者ノース氏の著書「アリと人間」に書かれている「ワーカーは、営巣早期に協力していた複数の女王から進化したと考えられている}という内容に暗示されます。」
というものです。
さて、24日は終日雨が降りましたので、観察はできませんでした。
翌日25日からは、動画を撮影するという方法で、長時間に渡って観察ができるようにしました。
14時直前に、蜜器に蜜を入れ、14時から16時までの2時間をタイムラプスで撮影しました。

すると、14時38分ごろ女王アリが画面に現れます。個体は小さくしか写っていないのですが、よく見ると、22日来の半無翅女王アリであることがわかりました。そして、およそ7分後の14時45分ごろになって画面から消えます。その間に蜜器の蜜を吸い、ほぼまっすぐにA巣のある方へと帰って行きました。

その翌日の26日は、13時から16時までの3時間、タイムラプス動画を撮るように設定しました。後になって動画を見て分かったことですが、実は15時50分頃になって女王アリが現れていました。ほぼ16時ちょうどに私が撮影場所に行った時には、既に動画撮影は終わっていましたが、まだ女王アリがその場にいました。そこで、急いで動画撮影を再開しました。


この日の動画に写っている女王アリには、翅が全く付いていませんでした。22日・23日・25日に観察した女王アリは同じ個体であることは、僅かに残って付いていた翅があることで分かるのですが、ではこの日の個体は別の個体なのでしょうか。それとも、翅を落とした同じ個体なのでしょうか。確かなことは分かりませんでした。
後半のビデオでは、女王アリの様子がおかしいことが分かります。身体が自由に動かなくなっています。また、大腮を開けています。蜜器に来ていた小型のアリから攻撃を受けたのでしょうか。どうしてそのようになったのかは分からないままなのですが、動画の中で同じ巣の働きアリと出会う場面を見ても、働きアリは女王アリに対して攻撃はしていません。A巣の働きアリとは良好な関係にあるようです。
このまま身体の自由が回復せずに死んでしまうのではないかと心配でしたが、動きがおかしいことに気づいてからおよそ40分後に、この女王アリは、通常の歩き方で、画面から消えて行きました。ただその時、その場には居合わせていませんでしたので、A巣に戻って行けたかどうかは確認できていません。