いよいよクロオオアリとムネアカオオアリの女王アリの採集の時期です。これまで3年間、同じ場所で大量に採集できましたので、今年も同じ場所へ出かけました。
過去3年間では、6月8日(2010年)、6月8日(2011年)、6月14日(2012年)の日に結婚飛行があり、クロオオアリとムネアカオオアリの合わせて100匹を越える女王アリを採集してきました。
今年は6月4日に自宅を出、翌日に当地に着きました。
当地に次の日まで留まったわけですが、結論を先に言えば、2日間で17匹を持ち帰りました。帰宅してみるとその内の1匹が死んでいましたので、実数は16匹です。
なぜこんなにも少なかったのか、それはごく明白な理由で、当地の新女王アリは、既に大部分が結婚飛行済だったからです。当地の施設の方の話では、「1週間ほど前」に女王アリをたくさん見たそうです。それが2〜3日続いたとのこと、確かに同一場所でも、結婚飛行は特定の一日だけに集中して行なわれるのではなく、何日かに分けて行なわれることが、これまでの観察で分かっています。それは、1つの巣においても、言えることで、1つの巣でも何日かに分けて羽蟻が飛び立ちます。
以下の写真は、既に結婚飛行が大量に行なわれた後であることを示すものです。
巣に羽蟻がいると、天気が良ければ午後には巣の出入り口に必ず姿を見せるのですが、上の下方の2つの写真のように、その羽蟻の姿がありません。これらの巣では、もう結婚飛行が完了していることを示しています。ちなみに一番下のムネアカオオアリの巣は継続観察をしている巣の1つです。
しかし、同じ場所ですが、幸いにもまだ羽蟻が残っている巣もありました。
この巣も継続観察をしている巣で、昨年はこの巣から羽蟻がたくさん飛び立つ様子を観察しました。その時と比べると、明らかに羽蟻の数が少なく、既に大多数の羽蟻が飛び立った後であることが伺えます。
今年の当地の天候を振り返ってみますと、一時梅雨に入り(5月27日〜30日までが曇)、その後で晴天(5月31日から)が続きましたが、そのことが羽蟻の飛行を早めたようです。今年も6月の8日前後だろうと決め込んでいたのが間違いだったのです。