持ち帰った女王アリは17匹でしたが、帰宅した時点で1匹が死んでいましたので、16匹を飼い始めました。その内訳は、クロオオアリが12匹、ムネアカオオアリが4匹です。
ところで、今回持ち帰った女王アリは、例年とは違うところがあります。それは、16匹の内の半分の8匹が、傷を負っていたということです。例年ですと、結婚飛行を終えた直後の女王アリを採集していましたが、今回は、これまでのブログでお話しましたように、結婚飛行の直後でない場合がほとんどであると考えています。傷を負っているのは、地上を歩いている間に襲われたと思われます。ただ、それは幸運なのですが、命は落とさなかったのです。
負傷しているのは、左触角が短いのが2匹、右触角が短いのが2匹、左右共に触角が短いのが1匹、右触角が短く左の前脚の腿節が全部なくなっているのが1匹、右触角が短く左の中脚の脛節が途中からなくなっているのが1匹、右の後脚の脛節が途中からなくなっているのが1匹、の計8匹です。それらは、地上を歩いていたものや、出入り口が開いた浅い穴の中にいたものや、コンクリートの塊の下にいたものや、建物の網戸にいたものなどです。いずれも、私が見つけたという点が問題です。本来なら、結婚飛行を終えた直後から穴を掘って、その中に身を隠していなくてはならないのです。
体に傷を負っていない女王アリは、地面を歩いていたのが多いのですが、芝地の穴の中にいたのもいます。やはり、私に見つけられたという点が問題です。
右触角が短いムネアカオオアリは、7日の夕刻には死んでおり、同じく右触角が短いクロオオアリは、8日には死んでいました。
6月9日現在、生きているのは14匹になります。まだ産卵をしていないのは、健全な女王アリ8匹の内の3匹、負傷している女王アリ6匹の内の1匹で、割合的には負傷している女王アリの方が、産卵率は高くなっています。
女王アリは負傷していても、産卵をしたのですから、おそらく子育てもできるのでしょう。今後が楽しみです。