クロオオアリやムネアカオオアリは、巣から出てきて、何匹かで組んで遠征することがあります。
その様子をよく見ると、先頭を歩くアリは、スムーズに歩いているのではなく、チョンチョンと一瞬止まりながらリズミカルに歩いています。ついていくアリたちは、 そんな風ではなく、普通に歩いているようです。
その様子をビデオで撮影して見てみましょう。一眼レフカメラで撮影しましたので、ピントが合いにくく、見づらい映像になってしまったのですが……。
確かに、先頭のアリだけが絶えずマーキングをしながら歩いているのがわかります(ビデオは再生速度を落として見ることもできます)。ついていくアリたちもマーキングをすれば、より確かな道しるべになりそうなものですが、なぜ先頭のアリだけがマーキングをしているのでしょうか。
その理由は、あくまでも仮説ですが、遠征隊員?の個々の動きを見ているとわかるような気がします。隊員たちは、整然と列を組んでついていっているわけではありません。かなりばらばらな感じになったりもします。もし、全ての隊員がマーキングをしていると、外れた方向にもマーキングされることになり、先頭のアリが歩いた道と区別がつかなくなるのでしょう。先頭のアリが、そのアリの偶然の判断で任意の方向へ歩いて行く場合でも、その道が1本であることが重要なのでしょう。そうであることで、はぐれてしまった隊員も、やがてマーキングを見つけ、同じ場所へと向かうことができるのではないでしょうか。
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ピンバック: 自分の巣に戻れない室内のアリ | anttech.jp
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