6月5日・6日に女王アリを採集したクロオオアリの7家族とムネアカオオアリの1家族の卵が孵化し、まだ小さいのですが幼虫になっていました。6月15日〜17日に女王アリを採集したクロオオアリとムネアカオオアリの家族の卵は、まだ孵化していませんでした。
ところで、卵が散乱しているのがありました。
この女王アリは6月6日にコンクリートの塊の下で見つけました。左右共に触角の鞭部が途中からなくなっています。また、下の写真の女王アリは、右の触角の鞭部の先端がなくなっています。
下の写真の女王アリは、右の触角を柄節の付け根から全て失っています。写真では卵がまとまっているように見えますが、視野の外に卵が3個あります。
こうしてみると、触角の有無と卵の散乱とは関連しているように思えます。
そこで逆に、触角の一部を失っている女王アリの子育ての様子から見てみましょう。
27日の時点で生き残っている触角の一部を失っているクロオオアリの女王アリは12匹で、この数には上記の3個体が含まれていますので、卵の散乱の個体率は3/12、つまり、25%になります。これに対して、触角に異常がない個体の場合の卵の散乱の個体率は0/52で、0%です。
以上のデータからは、触角の一部を失っていても卵が散乱しない場合が多いものの、およそ4匹に1匹の割合で卵が散乱すること、そして、触角を失っていなければ、通常は卵は散乱しないことがわかります。はやり、触角の有無と卵の散乱には関連がありそうです。