これまで、アリの胃の容量を量ったことはありませんでしたが、今日、その機会がありました。
対象としたのは、クロオオアリの女王アリです。クロオオアリの場合、働きアリは大きさが連続的ですから、各個体の胃の容量は一定ではありませんが、女王アリの場合は、ほぼ一定だと考えられます。今回胃の容量を測定したのは、今年の6月9日に自宅の庭で採集した新女王アリで、子育てが順調ではなく、まだ働きアリがいない単独女王アリです。これまで蜜等は与えていないので、水を飲むことはあったとしても、胃は空に近い状態だと考えられます。
蜜の容量の測定には、ピペットを使います。
ピペットは予め1分注を10μL(1μL=0.001mL)に設定しています。1分注ずつ、飼育器の中に垂らします。
4分注目、つまり40μLは飲み干したのですが、下の写真のように5分注目は残してしまいました。
このことから、このクロオオアリの女王アリは、40数μL飲んだことになります。クロオオアリの女王アリの胃の容量は、40数μL(0.04mL〜0.05mL)のようです。
ちなみに、40数μL飲んだこのクロオオアリの女王アリと、働きアリがいて既に何回も蜜を与えているコロニーの女王アリ(今年5月23日採集)と、20μL飲んだまだ働きアリがいない女王アリ(今年5月23日採集)の腹部の大きさを比べてみました。