5月4日に庭に移植したクロオオアリのコロニーのB14034+133は、5月9日になっても、複数個所で巣作りが行われていて、巣の位置が統一されていないようでした。5月10日以後は、自宅に不在の期間があり、その後の観察はできていませんでした。
それから1ヶ月以上が経った6月13日、引越先の手がかりを得たいと思い、コンクリートの階段で観察をしていると、側溝でクロオオアリを見つけました。早速蜜を与えました。

そのクロオオアリはやがて帰路についたようです。後を追って行くと、側溝の中の散水ホースを伝って上へと歩き始めました。そして、側溝の最上部に達すると、その散水ホースを伝って進路を右にとり、石板の溝蓋の下を潜り抜け、やがて側溝の割れ目の中に入って行きました。




この側溝の割れ目の場所については、5月9日までの観察では、観察の対象にはなっていませんでした。しかし、移植用に使った西洋ミツバチの巣箱からその方面へ歩いて行く働きアリが極く少数ながらいることに気づいてはいました。
再び階段の下の方へ行くと、腹部が膨らんだ働きアリが歩いていました。その働きアリを発見した場所から考えて、先程側溝に垂らした蜜を飲んだのではないようでした。その後を追って行くと、先程の働きアリと同じコースを歩いて、この働きアリも側溝の割れ目に入って行きました。

その側溝の割れ目から出てくる働きアリもいました。

確かに、ここがクロオオアリの巣になっていることが分かりました。
ところで、帰巣した2匹目の働きアリは、側溝で与えた蜜を飲んだわけではないのに腹部が膨らんでいたのですから、どこかに蜜源があるはずですので、その蜜源を探すことにしました。そこで、側溝の割れ目の巣とは反対方向に歩いて行く働きアリが階段の下の方にいましたので、その後を追ってみました。
すると、かなり離れたところに設置していた蜜器に辿り着きました。この蜜器には午前中に蜜を入れていました。


この新たに発見した巣のコロニーは活発に活動していることが分かります。このコロニーは、巣の位置から考えて、B14034+133に間違いないでしょう。

ちなみに、移植直後、巣作りが盛んに行われていた場所にはクロオオアリはいませんでした。
