前回のブログで、クロオオアリのコロニーで羽化が始まったことを書きましたが、この羽化した働きアリが卵で生まれたのはいつごろだったのでしょうか。
このことを実証するのに、ちょうどよいサンプルがあります。ここではムネアカオオアリの写真を用意しましたが、クロオオアリの場合にも同じことが言えます。
この巣は、昨年トゲアリの女王アリがムネアカオオアリの巣に寄生したコロニーです。たくさんのムネアカオオアリの繭と幼虫があります。この巣にトゲアリの女王アリが侵入したのは、昨年の9月13日でしたから、それ以後はムネアカオオアリの女王アリは産卵していないことになります。
つまり、今いる繭や幼虫は、それ以前に生まれていたということになります。短く見ても、9月13日から今現在まで、およそ7ヶ月以上かけて繭(蛹)になっているのです。この巣でも、もうそろそろ羽化が始まると思いますので、働きアリの卵・幼虫・蛹の期間が7〜8ヶ月ということになります。とても長く感じます。
ちなみにこの春に産卵された卵は、比較的早く成虫になると考えられます。これについては、今後の観察が待たれます。