女王アリの寿命 B120614-86の場合

これまでクロオオアリの女王アリの寿命については、「おめでとう! 結婚10年記念日」と「11歳女王アリのコロニーを再生」で触れてきています。「11歳女王アリのコロニーを再生」は、2012年に新女王アリを採集したコロニーですが、もう一つ2012年に採集したコロニーがあります。B120614-86です。
このコロニーの女王アリは、6月14日に長野県の駒ヶ根市内で採集しています。その7年後の2019年(10月19日)には、その時飼育していたクロオオアリのコロニーでは一番働きアリの数が多いコロニーでした。2000年の9月4日に、活動室としてアンテグラウンドⅢに繋いだのですが、同年10月から11月にかけて、働きアリが大量に死んでしまいました。
後に、アンテグラウンドⅢから外し、アンテネストリトルアンテシェルフで飼育していました。
アンテネストは自然巣を観察するように作られていますが、巣房の中の様子が見難くなっていたことと、アンテシェルフの中も清掃する必要がありました。そこで、コロニーを飼育器から取り出し、アンテシェルフを洗った後、その中に戻すことにしました。
その過程で、コロニーの状態が把握できました。働きアリは多数、雄アリは4匹、越冬幼虫は極く僅か、だったのですが、女王アリはいませんでした。
生きていれば11歳だったのですが、昨年の11歳になる6月14日に女王アリが生きていたかどうかは調べられていません。それは、前述のようにアンテネストの巣房の中の様子は全ては見られなかったからです。
けれども、越冬幼虫が僅かながらもいたのですから、女王アリが産んだものだとすれば、夏ごろまでは生きていたことになります。したがって、新女王アリの誕生時期(羽化)が6月の末から7月にかけてだとすれば、11年間生きていたことになります。
来年の春以降、越冬幼虫が成長して成虫になった時、その成虫の中に働きアリがいるなら、この推察が正しかったことになるでしょう。その一方、その成虫が雄アリばかりだった場合、女王アリが産卵したのか、働きアリが産卵したのか分かりませんから、女王アリがいつまで生きていたのかも特定できなくなり、この推察が正しかったとは断言できなくなるでしょう。

引越の様子 2023年1月8日撮影
雄アリ4匹の内の1匹

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