画期的なたんぱく源を見つけました。それは「シルクパウダー」というものです。
糖分が粉状なのは極く普通ですが、ひょっとしたらたんぱく質にも、粉状のものがあるのではないかと思い、ネットで粉状のたんぱく源を探したところ、このシルクパウダーにたどり着きました。
裏面の表示を見ると、
と書かれていて、フィブロインが100%となっています。フィブロインとは、「繊維状のタンパク質の一種で、昆虫とクモ類の糸を構成し、その70%を占める(Wikipedia)」物質とのことです。
この物質は、水に溶けるのでしょうか。試してみると水が茶色っぽく透明になりました。つまり溶けるのです。このシルクパウダーは、「絹たん白加水分解物」とありますが、加水分解物なので水に溶けやすいのです。
ずいぶんと薄い水溶液でしたが、ムネアカオオアリに与えてみると、
飲み始めました。アリにとって、かなり嗜好性の高いもののようです。次に濃いめにしてクロオオアリに与えてみたのが下の写真です。
ヨーグルト用のグラニュ糖を与える時には、効率良く糖分を補給させるために、水に溶かさずに粒のまま与えますが、このシルクパウダーを粉のまま与えるとどうなるのでしょうか。与えてみると、
しばらくは、これが食べられるものとはわからないようでしたが、やがて舐め始めました。また、グラニュ糖の場合と同じで、少し固まっている粒を銜えて運び出すものもありました。
このシルクパウダーは、水溶性であるということと、アリが好むということと、粉は保存ができるという3つの点で、アリのたんぱく源としては、画期的な発見?です。
そこで、このシルクパウダーを特製の蜜(2014年4月26日ブログ参照)に加えてみました。こうすれば、この新たな蜜だけで、糖分とたんぱく質を同時に与えることができます。果たして与えてみた結果は、
大好評でした。
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はじめまして 昨年上記のシルクパウダーに関する記事を読み、家のアリたちに試してみましたが、いい結果が得られています。それに触発されて、今年は昆虫餌をまったく与えずにアリを育ててみようと思い立ち、現在クロオオアリ2コロニー、イトウオオアリ3コロニーで実験しています。クロオオアリは昨年の5月に新女王を採集したものですが、昨年11月までにどちらのコロニーでも働き蟻数が100匹近くになり、大型ワーカーも3匹ほど生まれました。この春からは、シルクパウダーに加えて、その他のアミノ酸含有食品(エビオス、麻の実プロテイン、大豆プロテイン、スキムミルクなど)を蜂蜜、メープルシロップ、黒蜜、キビ砂糖などといろいろな組み合わせで混ぜ、それに昆虫ゼリーも足して与えています。結果は非常に順調で、幼虫、繭が大量に増えています。クロオオアリ1コロニーでは、大型ワーカーのものと見られる巨大な繭も現れました。というわけで、少なくともクロオオアリとイトウオオアリに関しては、昆虫をまったく与えなくても十分に飼育が可能であるように思われます。今年はムネアカオオアリにも挑戦したいのですが、まだ女王を捕獲できていません。
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