B120614-03は、2012年に新女王アリを採集したクロオオアリのコロニーです。昨年の9月18日のブログで、「現有の幼生虫が羽化してみなければ、断定はできないのですが、もし働きアリが増えずに、雄アリが増えるようでしたら、B120614-03は産卵能力は残っているものの、有精卵を産む能力はなくなっていることになるでしょう。」と結んでいます。
そのB120614-03の1月21日の様子は、次のようです。

これを9月18日の写真と比べてみると、1月の方が雄アリが多いように見えます。

9月18日の記録では、働きアリが25匹、雄アリが16匹でした。今回は寒さのため塊になっているので、正確に個体数を数えることはできませんでしたが、働きアリは17匹ほど、雄アリの方は20匹以上は確実にいるようです。
多数の雄アリの中で、翅が伸び切っていない雄アリが2個体がありました。

9月18日の時点では、このような翅が伸び切っていない雄アリはいませんでしたから、その時の幼生虫の中に雄アリの幼生虫がいたことが分かります。
以上のことから「B120614-03は産卵能力は残っているものの、有精卵を産む能力はなくなっている」と結論づけてもよいのではないかと思います。
この女王アリは、成虫になったのが2011年の6月の末から7月にかけてだとすれば、12歳6ヶ月程になります。いつまで生き続けることができるのか、興味深いものです。
参照:
「10年目の再生コロニー」(B120614-03)のその後(2023/09/18)
採集から11年目のコロニー2つ(2023/06/14)
11歳女王アリのコロニーを再生(2022/07/12)
大きなコロニーでの雄アリ誕生3例目(2022/03/22)
B120614-03に 30匹程の雄アリに(2021/07/08)
クロオオアリの雄アリが食べられる(2021/05/11)
クロオオアリとトゲアリの越冬幼虫の様子(2021/03/01)
クロオオアリのコロニーに雄アリが生まれる(2020/07/10)