5月18日は気温が上がるとの予報がありましたので、蒜山高原へオオアリの採集に出かけました。
午前中に蒜山高原に着き、正午頃から観察を始めました。先ず訪れたのは、例年の採集地の一番奥まったところにある「道の駅蒜山高原」ですが、駐車場がすっかり変わっていました。


これまでは、この駐車場のスペースには所々に芝地の盛り土があり、木も植えられていました。その盛り土の所々にはクロオオアリの巣があり、また、平面と盛り土の境にはコンクリートの縁石があって、その縁石の下の平面との隙間にクロオオアリの巣がありました。また、駐車場の周囲の草地もより広く取られていました。2016年の6月11日には、この駐車場で8匹のクロオオアリの新女王アリを採集しています。


この駐車場で暮らしていたクロオオアリは、全て追いやられたようです。
このことで思い出したのは、かつてのヒルゼン高原センター付近のことです。そこでは、立ち木が全て伐採され、それ以後はクロオオアリの棲息の密度が極端に低くなりました。


この後、2021年の5月23日に多数のクロオオアリを採集した自転車道とその脇道に行きました。そこでは、主にオオアリの巣口を探して、結婚飛行の前兆があるかどうかを調べて廻りました。






ただ、まだ結婚飛行を行う時間にはなっていないので、ひとまず別の場所で過ごしました。
午後4時前に再び脇道を訪れると、既に結婚飛行が始まっていました。先ず目立ったのはムネアカオオアリの有翅女王アリでした。


15時46分から15時52分までの6分間に、ムネアカオオアリの有翅女王アリを15匹見つけました。また、同時に脇道でクロオオアリの有翅女王アリも見つけました。


ただ、何れもまだ結婚飛行を終えていないので採集はしませんでした。
脱翅女王アリが見つかるようになったのは、16時8分ごろからでした。

この後、自転車道を中心に脱翅女王アリを捕獲しました。18時までのほぼ2時間で、クロオオアリの女王アリは62匹、ムネアカオオアリの女王アリは1匹採集できました。
その間に、有翅女王アリが地上に下りて脱脂をするところを2度見ることができました。その内の1匹は写真に収めることができました。


クロオオアリが翅を落とした直後の様子は、こちらからも見られます。
5月18日の気象は、気象庁の上長田(蒜山高原)のデータに因ると、最高気温が26.7℃、平均風速が0.7m/s、日照時間は12.7hでした。このデータと酷似しているのは5月4日で、それぞれ26.8/0.6/12.8でした。最高気温が26℃を越えたのは、5月18日が今年になって2度目でした。

