今年採集したクロオオアリの新女王アリの中の50サンプルの内、生き残っている48サンプルで、7月2日に初めて羽化がありましたが、7月5日、48サンプルの羽化数の平均値が1を超えました。
48サンプルの羽化数の平均値の日毎の推移
7月2日 0.02匹
7月3日 0.15匹
7月4日 0.77匹
7月5日 1.38匹
産卵数の50サンプル時の平均値が1を超えたのは5月22日(平均値1.32個)でしたので、卵が産み落とされ、成虫になるまでの期間は45日間となります。
ところで、2021年にも今年と採集地が同じ岡山県の蒜山高原で採集した新女王アリの子育てについても調べていて、次のようなデータがあります。
産卵数の平均が1を超えた日 5月26日(平均値1.23個 サンプル数43)
羽化数の平均が1を超えた日 7月9日(平均値1.03匹 サンプル数33)
2021年の場合は、卵が産み落とされ、成虫になるまでの期間は45日間となります。と言うことは、今年と一致していることになります。
ちなみに、飼育室の気温ですが、2021年時と今年とは少し違っています。
2021年の場合は、飼育室の気温を自動化して管理するということは行っていませんでしたが、室温が30℃を越えていることに気づいた時点でエアコンを点けていました。
今年は、飼育室の室温管理を自動化していて、30℃になると設定温度24℃でエアコンが点き、室温が26℃にまで下がるとエアコンが切れるようにしていました。
以上の観察をまとめると、特定の採集地(岡山県蒜山高原)のクロオオアリで、特定の気温(上記参照)の下で飼育した場合、「創巣期における卵から羽化までの期間は45日である」と言えます。