今年「移植」したクロオオアリのことが気になっていました。この間、移植した7箇所の全部で、クロオオアリの出入りが見られず、全滅したのではないかと心配でした。
移植の際には、クロオオアリが外部に出ないように飼育ケースの上から透明ケースを被せていましたが、これには別の効用もありました。クロオオアリを襲うものが外部から入ってくるのを防いでいたのです。しかし、4月26日からは、この透明ケースを外していました。
既にその日から、小さなアリが移植場所にやって来るようになっていました。
その翌日の27日から30日までの4日間は家を空けていましたので、観察ができなかったのですが、その間、この小さなアリがクロオオアリの巣を襲ったかも知れません。
5月6日、花壇に移植したBK17075の箇所を見ると、小さな穴が空いていて、小さなアリが出入りしていました。
穴は小さいのですが、クロオオアリが出入りできる大きさがありました。ですが、小さなアリにとっては大きな穴です。この小さなアリの巣穴ではなさそうです。心配していたことが起こったのかも知れません。
そこで、思い切って移植した箇所を掘り起こすことにしました。
見た限りでは小さなアリは地中からは出てきませんでした。また、クロオオアリも出てこず、クロオオアリの死骸も見当たりませんでした。結局、ここに移植したBK17075のコロニーがどうなったのかを知ることは出来ませんでした。
それから5日ほど経ち、5月11日、西斜面下に移植した3つのコロニーの安否を確かめることにしました。取り敢ずBH18018から移植箇所を掘り起こすことにしました。少し掘り進んだ時、意外にもクロオオアリの働きアリが1匹、土の中から飛び出してきました。
掘るのを止め、巣穴を特定するために蜜を与えました。
蜜を吸っている間、掘り起こした箇所からできるだけ表面の土を取り除きました。やがて、そのクロオオアリは帰路につきましたが、かなり迷いながらも、巣穴を見つけて地中へと入っていきました。
巣口が分かったので、巣口の脇に石を置いて、巣口を埋めないように土を戻しました。
他の2つの移植した場所は、もう掘らないでおきました。