今年はいつクロナガアリの女王アリが採集できるか、かなり気を使って庭を見ていましたが、やっと5月の1日になって女王アリを1匹採集しました。昨年は4月26日に、一昨年は4月16日に採集していますので、時期が遅くなっています。ただ、4月27日から30日の4日間は家を空けていましたので、その内の天気が良かった28日にも結婚飛行があったかもしれません。
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クロナガアリの女王アリを採集
4月26日の午後、クロナガアリの女王アリを採集しました。昨年は、4月16日に採集していて、その様子については同日のブログ「小型種の女王アリを採集」で触れています。その時は、トビイロシワアリの女王アリではないかと思っていましたが、その翌日、ブログをご覧になった方からクロナガアリだと教えていただきました。
今年もクロナガアリの女王アリが採集できればと思っていましたので、何日も前から気にかけながら庭を見ていました。昨年は午後3時頃でしたが、今年は午後3時少し前に、初めの1匹を見つけました。庭中を探してみましたが、集中して見つかるのは庭の南西向きの場所でした。特定の範囲内に複数の女王アリが歩いていたのですから、その近辺に巣があるはずです。巣があれば、羽アリが群がっていると思われますので、発見しやすいはずですが、どうもそのような個所はありませんでした。そこで、ふと、思い浮かんだのは、南西向きの庭のフェンス越しの外です。案の定そこでも、クロナガアリの女王アリが歩いていました。
ただ、ここでも巣らしい場所は見つけられませんでした。この日、フェンス越しの外も含めて、12匹のクロナガアリの女王アリを採集しました。
ところで、午後4時頃、上の写真の中央辺りですが、そこで2匹のクロナガアリの女王アリが巣穴を掘っているのを見つけました。そのすぐ手前でも、こちらは1匹で巣穴を掘り始めているのを見つけました。もう早くも巣穴を堀り始めだした女王アリがいたのです。
次の動画は、2匹のクロナガアリの巣穴掘りを撮影したもので、3カットを1つに編集しています。
1カット目:16時1分から1分間
2カット目:16時2分から1分間
3カット目:16時53分から3分間
動画では、0分42秒の時点で、片方の女王アリがもう片方の女王アリを巣穴から引きずり出す場面があります。
2分32秒の時点では、片方の女王アリがもう片方の女王アリを巣穴から引きずり出そうとしています。
3分18秒・4分6秒・4分17秒の時点で、同じ片方の女王アリが巣穴から土を運びだす場面が見られます。
『アリハンドブック』(文一総合出版)のクロナガアリの項では、「単女王性のアリではあるが、コロニー創成時に複数の新女王が集まって、一緒に巣づくりを始めることが少なくない」と書かれています。この動画は、この記述を裏付けています。
2匹の関係を見ていると、堀り始めたころは、2匹が同じ程度に巣穴を掘っているように見えますが、仲が良いとは言えないようです。やがて、片方が頭部を上にして巣穴に潜り、じっとしています。人間に置き換えれば、ずるいって感じでしょうか。もう1匹が、それでも巣穴を掘り続けようとしているようですが、巣穴の中に潜っている相手が邪魔になったのでしょう。この動画には写っていないのですが、何度も潜っている相手を引き出そうとしていました。
2匹はこんな関係ですから、巣穴を最後まで掘り続けることができるのでしょうか。
上の写真は2日後の28日の様子です。女王アリの姿はありませんが、未だに巣穴口が塞がれていません。この穴の中に女王アリがいるのかどうか、近い内に調べてみようと思います。
なお、今回必要以上にクロナガアリの女王アリが採集できましたので、ご希望の方には有償とは致しますが、お分け致します。こちらから、お問い合わせ下さい。
クロナガアリ 穀物を食べた
2月4日のブログ「初めての冬を迎えたクロナガアリの家族」で、「やがて温かくなったら、穀物類を与えてみようと思います」と書きましたが、2月22日にアワ・キビ・玄カナリーシード・ヒエの4種の種をそれぞれ1個ずつ与えました。
3月8日、その内の一つの種が食べられているのに気づきました。
この種は、玄カナリーシードではないことは分かりますが、私の今の知識では、アワなのかキビなのかヒエなのかはわかりません。けれどもこれで、このアリは確かにクロナガアリであることがはっきりしました。
なお、この日、1匹の働きアリが死んでいましたので、働きアリは4匹になりました。
初めての冬を迎えたクロナガアリの家族
昨年の4月16日に小型の女王アリを自宅の庭で採集しました。その様子については、同日のブログ「小型種の女王アリを採集」で述べています。このブログでは、トビイロシワアリではないかと書きましたが、このブログを見た方からクロナガアリだと教えていただきました。確かに、この女王アリを採集したのが4月ですから、クロナガアリの結婚飛行が「4月下旬から5月の午前中」に行われるという記述(『日本産アリ類図鑑(朝倉書店)』)に一致しています。
2月4日現在働きアリが5匹います(他に1匹が死んでいました)。
女王アリ採集以降の家族構成は次のようです。
2017年7月4日 働きアリ3匹 蛹2匹 幼虫7匹 卵1個
2017年8月2日 働きアリ5匹 蛹4匹 幼虫・卵有り(数えられなかったため)
現在は蛹も幼虫も卵もありませんから、それらの多くは死んでしまったことになります。
ところで、このコロニーはクロナガアリらしいと分かっていたのですが、餌としては、蜜と昆虫を与えていて、穀物は与えていませんでした。それでも、成虫や蛹や幼虫になったのは、女王アリの体にあった養分で成長したとも考えられます。
もうひとつ、働きアリの数が、死んだ個体も含めて5・6匹だったのですが、この数は、先程引用した『日本産アリ類図鑑』の記述の「飼育下では1年で働きアリが4〜7個体となり」に妙に一致しています。
やがて温かくなったら、穀物類を与えてみようと思います。