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「日本アリ類同好会」への誘い

「日本アリ類同好会」は、LINEを使ったアリの飼育・観察・研究の交流グループです。2019年12月14日から運用しています。
「日本蟻類研究会」は既に存在していて、私も会員になっていますが、「日本アリ類同好会」という名称の団体はネット上で検索する限りはないようです。「日本蟻類研究会」は、大学関係者の方も多く、研究内容はとても深いのですが、「日本アリ類同好会」では、アリが好きな者同士が「友だち」になって、主に飼育方法や生態観察や採集情報などで、気軽に交流ができればと思います。ご賛同いただけるようでしたら、グループにご参加下さればと思います。
まだ、LINEをお使いになっていない方も、スマホやダブレットだけでなくPC版もございますので、導入をご検討下さい。LINEの導入の仕方については、ネット上でお調べ下さい(例えば https://line.macdrivelove.com/entry3.html 等)。
ご連絡いただければ、QRコードをお伝え致します。連絡先は info@kajitsuken.net です。
では、皆様のご参加を心よりお待ちしています。

ムネアカオオアリの単独女王アリと無女王のクロオオアリの合併

オオアリ同士の異種間共存」では、これまでに11回ブログに書き起こしてきました。
今回は、次のような2つのコロニーの共存を試みます。

S/N:R200603-021
2020年6月3日に駒ケ根市内で採集したムネアカオオアリの新女王アリ
7月12日現在 働きアリ無 卵僅か 幼虫・蛹無
2020年8月22日には働きアリが17匹いた

S/N:BH240518-23
2024年5月18日に蒜山高原で採集したクロオオアリの新女王アリのコロニー
7月7日に女王アリが死亡 この時働きアリは2匹・幼生虫あり
7月12日現在 働きアリ5匹 幼生虫あり

R200603-021はクリアケースミニで飼育 BH240518-23は円形のクリアカップで飼育 7月12日撮影

両者が急速に接触しないように、円形のクリアカップに工夫を施すことにしました。BH240518-23が入っているクリアカップとは別の同じカップを用意し、側面に穴を空けました。

クリアカップの側面に穴を空けた

この穴を空けたカップをもう1つの同じカップの中に入れて、BH240518-23をカット綿ごと内側のカップに引越させ、蓋をしました。

穴を空けたカップは、もう1つのカップの内側に重ね入れている
BH240518-23をカット綿ごと内側のカップに引越させて蓋をしたところ アリはカップの外へは出られない

BH240518-23がカップの中で落ち着いた頃、カップの蓋を外して内側のカップだけをクリアケースミニの中に入れました。

クリアカップの上面にクリアケースミニの蓋が被さるため、カップの上面からは出られない

翌日の7月13日、前日と変化がないように見えました。そこで、クロオオアリのコロニーをクリアカップからカット綿ごと取り出し、クリアケースミニの中に入れ直しました。すると、すぐさま、ムネアカオオアリの女王アリが、クロオオアリのカット綿の方にやって来て、咬みあう寸前にまでになりましたが、女王アリが元の場所に戻って行き、戦いは回避されました。

右がムネアカオオアリの女王アリ 7月13日16時2分撮影
戦いは回避された クロオオアリの働きアリが6匹になっている 7月13日16時3分撮影

それから3時間ほど経ってから見ると、カット綿には女王アリがいて、卵しか残っていませんでした。

カット綿には卵が僅かに残されていた 7月13日19時4分撮影
女王アリが卵を咥えていた 7月13日19時4分撮影
幼生虫は、元々女王アリがいたカット綿の上に運ばれていた 7月13日19時4分撮影 ※1

クロオオアリのカット綿の上にあった幼生虫が、別の場所へと運び出されていたことについては、女王アリが移動させたのではなく、クロオオアリが運んだと思われます(BH240518-23が含まれていた別の多数のサンプルでの観察から)。
クロオオアリの働きアリは4匹死んでいました。

左下の黒い点も死体 右側では女王アリとクロオオアリが栄養交換をしていた 7月13日19時12分撮影

※1の写真に写っている黒い繭が羽化したのでしょう、女王アリが羽化した直後のクロオオアリを介助していました。

働きアリは羽化した直後だと思われる 7月13日19時22分撮影

その後の様子ですが、14日には幼生虫が2箇所に分けて置かれ、15日には大多数の幼生虫がクロオオアリのカット綿に運ばれていました。

クリアカップのカット綿に幼虫が運ばれていた 7月14日11時14分撮影
元女王アリがいたカット綿には大多数の幼生虫がいた 7月14日11時15分撮影
その翌日、元女王アリがいたカット綿には卵を2個残して幼生虫がなくなっていた 7月15日11時50分撮影

7月17日になると、異種間の合併コロニーとして、安定してきたように見えました。女王アリの周りに、3匹のクロオオアリの働きアリが集まり、幼生虫も女王アリたちの下に集められていました。

幼生虫もその全てが集められていた 7月17日15時21分撮影
栄養交換が行われていた 7月17日19時58分撮影

ところがその翌日の7月18日、女王アリが死んでいました。死因は不明です。

女王アリが死んでいた 7月18日13時53分撮影

なぜか、死んだ女王アリと栄養交換のような行動が見られました。

7月18日19時27分撮影
7月18日19時28分撮影

このオオアリ同士の異種間共存の試みは、女王アリが死亡したため続けることができなくはなりましたが、ここまでの観察の限りでまとめると、次のようになるでしょう。

0.合併するムネアカオオアリとクロオオアリのコロニーのそれぞれの構成は既述の通り
1.合併当初からいるクロオオアリの働きアリは、ムネアカオオアリの単独女王アリに殺される可能性が高い。
2.ムネアカオオアリの単独女王アリは、クロオオアリの幼生虫を受け入れる。
3.新たに羽化したクロオオアリの働きアリは、ムネアカオオアリの単独女王アリに受け入れられる。

産卵数と羽化数の変化から羽化までの日数を再考察

7月5日のブログ「卵から成虫になるまでの日数(クロオオアリの創巣期)」では、

特定の採集地(岡山県蒜山高原)のクロオオアリで、特定の気温(上記参照)の下で飼育した場合、「創巣期における卵から羽化までの期間は45日である」と言えます。

とまとめています。これは産卵数と羽化数の平均が共に1を超えた期間でした。
ところが、45日以降の羽化数の変化を見ると、この「45日」を追加的に修正する必要があるようです。
次のデータは、産卵数と羽化数の日毎の変化をまとめたものです。

羽化数の増え方は、産卵数の増え方よりも遅いことが分かります。更にグラフにしてみましょう。

このことから、卵から成虫になるまでの日数は、

特定の採集地(岡山県蒜山高原)のクロオオアリで、特定の気温(参照)の下で飼育した場合、「創巣期における卵から羽化までの期間は最短で45日である」

と言えることになります。

今年採集コロニーを引越 クリアケースミニへ

今年採集したクロオオアリの新女王アリのコロニーの大多数を、7月9日、クリアカップからクリアケースミニ(Seriaの商品)に引越させました。

クリアケースミニへ引越させた(写真はその一部)

引越に際しては、成員をカット綿に乗せたままクリアケースミニの中に入れることにより、比較的簡易に引越を済ませることができました。
引越後は、水と蜜を与えました。

水はアクリルパイプで給水する パイプ下方に切れ目がある
中央の水滴は蜜2.0μL
ピペットを使って蜜を分注して与える
使用した200μLカートリッジ

クロオオアリの女王アリの羽化が始まっていた

クロオオアリのコロニーB15006では、2022年から女王アリが誕生するようになっています。
7月8日、今年も既に女王アリの羽化が始まっていました。

新女王アリがまとまった数見られた 7月8日22時40分撮影
この大きな繭が女王アリの繭だろう
羽化した後の殻を働きアリが運んでいた

卵から成虫になるまでの日数(クロオオアリの創巣期)

今年採集したクロオオアリの新女王アリの中の50サンプルの内、生き残っている48サンプルで、7月2日に初めて羽化がありましたが、7月5日、48サンプルの羽化数の平均値が1を超えました。

48サンプルの羽化数の平均値の日毎の推移
  7月2日 0.02匹
  7月3日 0.15匹
  7月4日 0.77匹
  7月5日 1.38匹

産卵数の50サンプル時の平均値が1を超えたのは5月22日(平均値1.32個)でしたので、卵が産み落とされ、成虫になるまでの期間は45日間となります。
ところで、2021年にも今年と採集地が同じ岡山県の蒜山高原で採集した新女王アリの子育てについても調べていて、次のようなデータがあります。

産卵数の平均が1を超えた日 5月26日(平均値1.23個 サンプル数43)
羽化数の平均が1を超えた日 7月9日(平均値1.03匹 サンプル数33)

2021年の場合は、卵が産み落とされ、成虫になるまでの期間は45日間となります。と言うことは、今年と一致していることになります。
ちなみに、飼育室の気温ですが、2021年時と今年とは少し違っています。
2021年の場合は、飼育室の気温を自動化して管理するということは行っていませんでしたが、室温が30℃を越えていることに気づいた時点でエアコンを点けていました。
今年は、飼育室の室温管理を自動化していて、30℃になると設定温度24℃でエアコンが点き、室温が26℃にまで下がるとエアコンが切れるようにしていました。

今年のサンプル 7月5日20時21分撮影
7月5日20時22分撮影

以上の観察をまとめると、特定の採集地(岡山県蒜山高原)のクロオオアリで、特定の気温(上記参照)の下で飼育した場合、「創巣期における卵から羽化までの期間は45日である」と言えます。

飼育トゲアリの羽アリたち

6月18日に、トゲアリのコロニーT140906-40(2014年9月6日に新女王アリを採集)で、女王アリが誕生したことについて触れていますが、6月26日には雄アリが活動室アンテグラウンドⅡ型にいるのを見つけました。

活動室に垂らした蜜を働きアリと一緒に吸っている雄アリ 6月26日20時58分撮影

7月3日には、女王アリがかなりの数になっていました。中には、活動室に出てきている女王アリもいました。

本巣の中の女王アリ
本巣の中の女王アリ
本巣の中 働きアリからケアを受けているように見える
羽化直後、ちょうど翅が伸びきったところなのだろうか
羽化後、まだ翅が白っぽい
羽化後、体色が黒っぽくなってきている
活動室の壁面を歩き回る女王アリ
活動室の床の死骸置き場になっているところにいる女王アリ2匹
上の写真の1匹は、なぜか死んだ働きアリの肢を咥えていた

48サンプルの中の初めての羽化

今年は、クロオオアリの新女王アリの採集直後からの産卵数を50サンプルで調べましたが、7月2日、生き残っている48サンプルの24番で、初めて羽化がありました。

サンプル番号24 7月2日17時20分撮影

サンプル番号24は、5月22日に初めて産卵を確認していますので、41日後に羽化したことになります。この例では、幼生虫の期間は41日(間)になりました。

創巣13年目の無女王コロニーと単独女王は共存可か(2)

6月16日から始めた同種間共存の試みでは、その後も女王アリはクリアカップの中に留まっていました。右後脚に咬みつかれたまま取れていなかった働きアリの頭部は、いつのまにか外れていました。

女王アリの右後脚についたままになっていた働きアリの頭部が外れていた 6月22日14時15分撮影

6月22日、女王アリと働きアリが馴染んでいる様子でしたので、女王アリをクリアカップから出すことにしました。

女王アリをクリアカップからカット綿ごと出した直後 6月22日14時18分撮影

やはり、両者の間で戦いは起こりませんでした。

栄養交換をする場面もあった 6月22日14時31分撮影

6月28日になっても、女王アリはまだ活動室に留まっていました。ところが人工巣セットを移動した際の振動のせいか、女王アリが活動室と人工巣を繋ぐパイプの中へ入ろうとしました。ですが、その入り口は1段高いところにあったので、女王アリは這い上がれませんでした。

パイプの中へ這い上がろうとする女王アリ 6月28日9時55分撮影

そこで、板で踏み台を作りました。

板で踏み台を作った 6月28日9時59分撮影

7月2日、それでも女王アリは、まだ活動室の中にいました。そこで、僅かに振動を与えました。するとパイプの中に入って行きました。そして、人工巣の中に入って行ったのですが、そこでも争いは起こりませんでした。

人工巣の中の女王アリ 身繕いをしている 16時48分撮影

クロオオアリの同種間共存は成り立ったようです。

これまでに、クロオオアリの同種間共存について分かっていることの中で、「女王アリがいないコロニーと単独女王アリの共存」については、次のことが分かっています。

1)既に女王アリを失っているクロオオアリの合同コロニーと、そのコロニーと同年代のクロオオアリの単独女王アリは、創巣の翌年の3月時点では共存できることがある。
2)既に女王アリを失っている単一のクロオオアリのコロニーと、そのコロニーと同年代のクロオオアリの単独女王アリは、創巣の翌年の3月時点では共存できることがある。

今回の同種間共存については、単独女王アリの方が創巣の翌年である点は同じですが、女王アリを失っているコロニー(死亡後14ヶ月強経過)の方が創巣から13年目だと言う点が異なっています。
まとめると次のようになります。

3)1年以上前に女王アリを失っている創巣から13年目のクロオオアリのコロニーと、創巣から2年目のクロオオアリの単独女王アリは、共存できることがある。

庭でクロオオアリの単独女王アリを採集

2021年の9月22日に、庭で単独で歩いているクロオオアリの脱翅女王アリを見つけたことがあります。結婚飛行の時期ではないため、『「移植」組のコロニーの巣が何者かに襲われ、「命辛々」逃げてきたのかも知れません』と考えました。また、その時の観察では、「腹部を見ると、結婚飛行後の女王アリのようには膨らんではなく、かなり萎んだ腹部でした」と記載しています。
今日6月30日、15時前に、3年ぶりに庭で単独で歩いているクロオオアリの脱翅女王アリを見つけました。見つけた場所は、3年前とほぼ同じ場所の庭から外に通じる階段でした。

6月30日14時56分撮影

腹部を見ると、3年前と同様に膨れていないようです。

2021年9月22日9時1分撮影

結婚飛行直後のクロオオアリの脱翅女王アリの腹部の大きさは次の写真ようです。

結婚飛行後の女王アリ 2016年6月11日撮影
結婚飛行後の女王アリ 2020年6月4日撮影

このことから、今回採集した脱翅女王アリは、直前に結婚飛行を終えた新女王アリではないと考えられます。そうだとすると、この女王アリも、巣を何者かに襲われ、「命辛々」逃げてきたのかも知れません。
この女王アリをS/N:BO240630として飼育することにしました。

一時的社会寄生のトゲアリ4例の様子(2024年6月28日)

2022年9月に行ったトゲアリの一時的社会寄生5例の試みの内、4例の様子(1例の様子)を記録しておきます。(前回6月2日の5例の様子はこちらを参照)

トゲアリの寄生の試み 1 (BH210523-18にT20220910-53が寄生 )

6月2日には幼虫が2匹だったが、今回は幼虫がそれより多い
卵が多数ある

トゲアリの寄生の試み 3 (BH210523-21にT20220910-65が寄生 )

卵が多数ある
女王アリの腹部はとても大きく膨らんでいる

6月2日にはいた越冬幼虫2匹はいなくなっていました。その2匹が羽化したのか死亡したのかは判別できませんでした。
6月2日にも卵が多数ありましたが、6月28日時点でも孵化していませんでした。

トゲアリの寄生の試み 4 (BH210523-23にT20220910-44が寄生 )

トゲアリの寄生の試み 5 (BH210523-29にT20220910-67が寄生 )

女王アリが人工巣の上面(活動スペース)に出ていて、卵を咥えていた
巣室にも卵がある

6月2日にも卵が多数ありましたが、6月28日時点でも孵化していませんでした。

比較的大きなクロオオアリの6コロニーの様子(6月28日)

現在飼育しているクロオオアリのコロニーの内、比較的大きな6コロニーの様子を記録しておきます。

1)B15006(2015年5月27日に駒ケ根市で採集)

クロオオアリの飼育コロニーの中で最も大きなコロニー 創巣から9年目を迎えている
今年も羽アリの繭がある

2)BK170530-081(2017年5月30日に駒ケ根市で採集)

活動室はアンテグラウンドⅢ型

3)BH18024(2018年5月15日に蒜山高原で採集)

4)B200603-067(2020年6月3日に駒ケ根市で採集)

5)B200603-075(2020年6月3日に駒ケ根市で採集)

幼生虫がとても多い

6)BH210523-37(2021年5月23日に蒜山高原で採集)

意図した通り人工巣のコンクリート上面を居室スペースとして利用している

昨年採集の3コロニーの引越

昨年新女王アリを採集した4コロニーの内3コロニーを、6月23日、カップ型コンクリート製人工巣に引越させました。
1)ムネアカオオアリのコロニー RH230604-01

百均購入のプラケースを利用した飼育ケース 蓋の3箇所にアクセス穴を空けている 6月23日撮影
引越専用の衣裳ケース(壁面上部にベビーパウダーを付けている)の中に人工巣を入れる 11時15分撮影
コロニーの成員を人工巣の中に振るい落とし、開放蓋付きのW拡張蓋を人工巣の上に被せる 11時23分撮影
人工巣の中に入らなかった働きアリを平筆ですくって捕獲し、W拡張蓋の中に落とす 11時26分撮影
平筆ですくえない働きアリはフィルムケースを被せて捕らえ、壁面に登ってきたらW拡張蓋の中に落とす 11時28分撮影
W拡張蓋の中に働きアリがいなくなった 11時30分撮影
プラケースにまだ卵等が残っていた 11時31分撮影
卵等は、プラケースを振っても落ち難いので、細筆の穂先を湿らせ、水の表面張力で吸着させる 11時35分撮影
先程細筆から落とし入れた卵等も巣室へ運び込まれたようだ 11時37分撮影
コンクリート製人工巣の上面の残滓は、掃除機の吸い込み口に細いホースをはめて吸い取る
引越完了 11時54分撮影
巣室に入ったごみを巣から運び出していた 12時1分撮影

2)ムネアカオオアリのコロニー RH230604-02

RH230604-02 6月23日撮影
衣裳ケースの中で成員を人工巣に落とし入れたが、女王アリが巣穴に入らなかった 13時20分撮影
人工巣を傾け幼生虫を巣口から巣室へと落とし入れたが、女王アリと少数の成員はそのまま留まった 13時31分撮影
女王アリを強制的に巣室へ入れて引越完了 13時45分撮影

3)クロオオアリのコロニー BS2305M-03

BS2305M-03 6月23日撮影
衣裳ケースの中で成員を人工巣の中に落とし入れた。巣室へと幼生虫を運び入れ始めた。 14時9分撮影
働きアリが女王アリの大腮を咥えて、巣穴へと誘導しようとしている 14時12分27秒
14時12分28秒
女王アリは、働きアリに直接誘導されることなく、巣穴へ入って行った 14時14分撮影
開放蓋付きのW拡張蓋の中には、まだ幼生虫が残っていた 14時14分撮影
W拡張蓋から巣室へと幼虫を運んで行く働きアリ
W拡張蓋から巣室へと仲間を運んで行く働きアリ 14時24分撮影
引越完了 15時21分撮影

T20220910-540をリトルアンテシェルフへ

トゲアリの寄生の試み 2 (BH210523-19にT20220910-54が寄生 )は、直近のブログで触れているように、トゲアリの寄生の試み5例の中で、最も良く繁栄しています。コロニーの本体は、コンクリート巣の上面に移動しています。

6月18日撮影

そこで、T20220910-54をリトルアンテシェルフに引越させることにしました。引越の方法としては通常の方法を用いたのですが、短時間でしたがその観察の限りでは、リトルアンテシェルフへ引っ越すような動きがありませんでした。

引越用の衣裳ケースの中の様子 リトルアンテシェルフの中へ幼生虫を運び込んでいない

そのため、リトルアンテシェルフを衣裳ケースに入れたまま、アルミホイールを外し、アンテシェルフの上方の蓋を開けて、衣裳ケースの中で分散していた成員を、平筆と薬さじを使って、直接強制的にアンテシェルフの中へ落とし入れました。それから、リトルアンテシェルフを開放蓋付きの小型水槽の中に入れました。衣裳ケースの中に残っていた働きアリと幼生虫は、小型水槽の中に落とし入れました。

引越はほぼ完成 13時54分撮影

小型水槽の中に落とし入れた幼生虫は、やがて働きアリによってリトルアンテシェルフの中に運び込まれました。

小型水槽の中の幼生虫をリトルアンテシェルフの中へ運び込む働きアリ 14時6分撮影

卵から蛹化までの日数 28日間

今年の5月18日に採集したクロオオアリの新女王アリのその後の子育てですが、採集日から31日目の6月18日、蛹化が既に始まっていました。
観察対象としている49匹の女王アリのコロニーでの繭の平均数は1.63個でした。昨日17日は観察していませんでしたので、確言はできないのですが、17日には繭が散見できたと思われます。

BH240518-08 6月18日15時30分撮影
BH240518-16 6月18日15時30分撮影
BH240518-35 6月18日15時27分撮影
BH240518-40 6月18日15時28分撮影
BH240518-46 6月18日15時28分撮影

観察対象の50コロニーで、産卵数の平均値が1を超えたのは採集日から4日目の5月22日の1.32個です(21日0.06個、23日2.52個)。昨日の17日は観察していないものの、繭の数の平均値が18日は1.63個ですから、18日に1を越えたと想定すれば、卵が産み落とされてから27日後に蛹化したことになります。

結婚飛行から産卵を始めるまでの日数:(5日間 当日を含む)または(4日後)
卵が産み落とされてから繭になるまでの日数:(28日間 当日を含む)または(27日後)

と整理することができます。ただこの数値は、飼育環境の内、特に気温により大きく変動すると思われますので、一般化することはできないでしょう。

飼育ケース間で引越 BH210523-34

5月30日に、クロオオアリのコロニーBH210523-30を引越させましたが、今回は、BH210523-34を飼育ケース間で引越させます。BH210523-34はBH210523-30と同様に、2021年5月23日に蒜山高原で新女王アリを採集したコロニーです。こちらのコロニーも、カップ型コンクリート製人工巣で飼育していましたが、コロニーが大きくなってきていました。

飼育器の全体の様子 開放蓋に変更した「W拡張蓋」をカップの上に載せている 6月18日撮影
人工巣には4部屋ある 女王アリがいる部屋
別の部屋
別の部屋
別の部屋

このBH210523-34をリトルアンテシェルフに引越させます。このリトルアンテシェルフには、最下段の両端にアクリルパイプがあって出入りができますが、更に出入りしやすいように最下段のアクセス窓をシリコン栓を挟んで持ち上げました。

最下段のアクセス窓をシリコン栓で持ち上げている

リトルアンテシェルフにアルミホイールを被せて、引越専用にしている衣裳ケース(ベビーパウダーを無水アルコールで練って壁面上部に塗っている)に入れ、人工巣を分解(カップからコンクリート部分を分離)して、成員を強制的に衣裳ケースに落とし入れました。

引越を始める前の衣裳ケースの中 6月18日9時57分撮影

衣裳ケースの中に入れられると、働きアリたちは早くもリトルアンテシェルフの中に幼生虫を運び入れ始めました。

リトルアンテシェルフの中に幼生虫を運び入れている 10時12分撮影
女王アリもリトルアンテシェルフの中に入って行った 10時12分撮影
10時18分撮影
引き続き幼生虫をリトルアンテシェルフの中に運び入れている 10時20分撮影
幼生虫はほぼ運び入れられたようだ 僅かに卵や小さな幼虫が元巣に残っていた 10時21分撮影

引越先の準備を始めました。小型水槽の底に敷板を置き、周りを川砂で敷き詰めました。この砂は粘土質を含まないため、さらさらしています。アリの飼育に土は必要ではありませんが、砂を敷くことで飼育器内の底面積を、砂の表面積で3次元的に格段に広くする、ことができ、汚れを分散させることができます。

板の大きさはリトルアンテシェルフの底面と同じ寸法だ
全ての幼生虫がリトルアンテシェルフに運び込まれたようだ 10時53分撮影
元の人工巣の様子 卵や小さな幼虫も全て運び去られていた 10時55分撮影
引越完了

ところで、リトルアンテシェルフを衣裳ケースの中から小型水槽に移した後の衣裳ケースの中には、まだ比較的多くの働きアリが残っています。そこで、この働きアリを小型水槽に移し入れなければなりません。
その時に使っているのは平筆です。平筆でアリをすくうようにすると、アリを筆に乗せることができます(毛に咬みついてなかなか毛を放さないアリもいます)。筆に付いたアリは、開放蓋をした小型水槽の上から払い落とせばよいわけです。

1度に複数匹捕らえることもできる

創巣10年目で女王アリ誕生 トゲアリT140906-40

トゲアリのコロニーT140906-40(2014年9月6日に新女王アリを採集)は、クロオオアリのコロニー(2012年6月14日に新女王アリを採集 S/N:B-NESTCON01024)に、2014年9月11日に一時的社会寄生したコロニーです。今年で創巣から10年目を迎えます。
以前からとても大きなコロニーになっていましたが、今日始めて、羽化したばかりの女王アリがいるのに気づきました。

前胸背板前方に刺が1対あるので女王アリであることがわかる 6月18日撮影

ちなみに、2年前の2022年7月には、雄アリが多数誕生していました。

雄アリ 前胸背板前方に刺がない 2022年7月29日撮影

本巣の中には、これから羽アリになると思われる大きな繭も散見されました。また、これから育つ幼虫も多数見られます。

この繭は女王アリの繭なのだろうか 6月18日撮影
これから育つ幼虫も多数いるようだ 6月18日撮影

ちなみに、T140906-40の直近の様子については、5月30日に、リトルアンテシェルフで人工巣を拡張したことについて触れていますが、今ではこのリトルフアンテシェルフにも幼生虫が運び込まれています。居住スペースとして利用されるようになったことが分かります。

左が元々の本巣 右が新たに増設したリトルアンテシェルフ 6月18日撮影

結婚飛行から12年、寿命は13年弱

女王アリの寿命を調べる目的で飼育しているB120614-03の様子については、直近では6月2日に触れています。そのB120614-03は、6月14日で結婚飛行から12年目を迎えました。羽化してからの寿命は13年弱となります。

飼育環境 6月18日撮影
女王アリと多数の雄アリ 6月18日撮影
6月2日同様、卵は女王アリとは別の巣室に置かれていて孵化していない 6月18日撮影

創巣13年目の無女王コロニーと単独女王は共存可か(1)

BS2305M-02は、昨年の5月に採集した新女王アリです。昨年は産卵しなかったのですが、今年になってからは、産卵をするようになっていました。

一方、B110608-07は、2011年6月8日に新女王アリを採集したコロニーで、このコロニーの女王アリは、2023年4月6日に死亡を確認していました。

B110608-07の飼育器 6月16日撮影
人工巣の中の様子
卵があるが、働きアリが産んだ卵だ

6月16日、女王アリがいないB110608-07の中に、単独女王アリのBS2305M-02を入れることにしました。

蓋をとってクリアカップを活動室の中に入れた クリアカップに食い付く働きアリ 13時56分撮影
すぐに戦いが始まった 13時56分撮影
女王アリの方が強いようだ 13時57分撮影

卵を咥えてクリアカップ内を歩き回る働きアリがいましたが、この時は卵をカップから外へは持ち出しませんでした。

一瞬だったが栄養交換の体形になっていた 14時2分撮影
働きアリが卵を咥えてカップから出ようとしているが、この時も結局出なかったようだ 14時14分撮影
また戦いがあったようだ 働きアリが女王アリの右後脚に咬みついたまま殺されていた 14時16分撮影
働きアリが卵を咥えている 14時30分撮影
卵が無くなっていた 15時56分撮影
女王アリに殺された働きアリの頭部と前胸部と前脚が、女王アリの右後脚に付いている 15時57分撮影
仲間が死体を齧っているようだ 16時5分撮影
また、一瞬栄養交換をしているところを見た 16時7分撮影
殺された働きアリは頭部のみになっていた このまま頭部は外れないのだろうか 17時22分撮影

翌日の6月17日の様子

まだ働きアリの頭部が右後脚に付いていた これまでに少なくとも3匹の働きアリが殺されたようだ 6月17日17時29分撮影
ここでも仲間が死体を齧っているようだ 17時55分撮影

脱翅新女王アリが2匹に

今年の5月19日に、クロオオアリB15006の活動室(アンテグラウンドⅠ型)に、脱翅新女王アリが1匹いたことに触れていますが、6月4日には脱翅女王アリが2匹になっていました。

6月4日17時36分撮影
別の脱翅新女王アリ 17時37分撮影
6月12日にも脱翅女王アリが2匹確認できた 10時55分撮影

トゲアリ 羽化が始まる

トゲアリのコロニーT1809192018年9月22日 B15002(2015/05/15採集)に進入〉の直近の様子については、6月5日に触れたばかりですが、今日6月9日に見ると、繭の抜け殻が多数散見されました。働きアリの羽化が始まっているようです。

働きアリの繭の殻 6月9日16時36分撮影
抜け殻が散見される 16時36分撮影
人工巣の中の様子 16時37分撮影